2024.12.23 Mon
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会計学研究所公開講演会
「BSC」テーマにシンポジウム開催

専修大学会計学研究所(大柳康司所長)の公開講演会が12月13日、神田キャンパスで開かれた。

同研究所では会計の第一人者を招き、学生や教員を対象にした講演会を定期的に行っている。今回は、「BSCとは何か」と題してシンポジウム形式で開催。本学大学院の修了生で、テーマに精通する東京国際大学の奥倫陽教授(平21院商博)と高崎経済大学の梅田宙准教授(平29院商博)が、進行役の伊藤和憲商学部教授からの問いかけに応えた。

BSC(バランススコアカード)とは、企業経営などで用いられる戦略的業績評価システムとして開発されたが、今日では戦略実行のマネジメント・システムとなっている。戦略を可視化した戦略マップと、その進捗を確認するスコアカードからなり、PDCAを回して戦略を達成する。
類似の仕組みに予算管理などがあるが、二人は「BSCは財務だけでなく、顧客など非財務の視点も持つ。また、BSCは長期的なビジョンを実現するためのもので、予算管理とは時間軸の違いもある」と解説。奥教授は「営利・非営利を問わず、どんな組織にも戦略があり、戦略があるところであればBSCの導入は有効だ」と話した。
BSCは企業だけでなく、さまざまな組織に導入されている。梅田准教授は、自身が調査に携わる医療機関の事例を報告。コロナ禍のとき、フェーズ変更に合わせた人材・病床の配置転換などに活用されたと紹介した。今後起こり得る災害や危機対応にも生かせるとしたうえで、BSCの研究をさらに深める意義を説いた。

最後に伊藤教授が、BSC導入の利点として、組織内で戦略のベクトルを一致させることができる点や、他部署とのコミュニケーションツールにもなる点などを挙げ、まとめとした。
商学部2年次の男子学生は、「BSCが、戦略実行の重要なツールになることが分かった。欧米と比べて日本での導入率は低いと聞いたので、社会に出たら、今日学んだことを生かしたい」と話した。
20241219会計学研究所公開講演会_01▲多くの学生や教員が参加した会計学研究所の公開講演会
20241219会計学研究所公開講演会_02▲BSCについて解説する奥教授と梅田准教授(左)

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