2024.11.25 Mon
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社会心理学者・小坂井敏晶氏が講演
人間科学部「社会意識論2」

人間科学部で開講されている「社会意識論2」(嶋根克己教授)の一環として、社会心理学者である小坂井敏晶氏をゲストスピーカーに迎えた講演会「矛盾の効用 常識を崩すための方法論」が11月22日、生田キャンパスで行われた。
小坂井氏はフランス社会科学高等研究院で博士号を取得し、在仏で社会心理学を研究、昨年までパリ第8大学で准教授を務めた。新たな日本人論を構築し、『民族という虚構』『矛盾と創造』など著書多数。
冒頭、嶋根教授は小坂井氏と小中学校の同級生だった縁が今回の講演につながったエピソードを紹介し、「社会、人間とは何か、意識は何にとらわれているのかを考えるいい機会にしてほしい」と開講意図を述べた。
小坂井氏は知識の獲得とは何なのかに言及した。「常識から逃れて新しい知見をもつことが大切だ」と述べ、例え話を交えながら、常識と矛盾について語った。矛盾に気づいた時のアプローチとして「どちらかの理論が誤り」「条件ごとに理論を使い分ける」「前提を見直し矛盾を解く」の三つがあるが、前提を見直すことが最も大切だと語り掛けた。
同一性と変化のパラドックスにも触れ、同一性は心理学的な錯覚であるとする。「テセウスの船」(船のすべての部品が置き換えられた時、過去の船と現在の船は同一のものと呼べるか)といえる現象が日々、日本人に起きているが、日本人の同一性は維持されていることなどを例にとり説明した。
また、差別の問題に関しては、差別は抑圧と支配によるものとされてきたが、本当だろうかと、日本の西洋化を挙げながら学生たちに問いかけた。
最後に自分自身の思考枠を変えるにはどうしたらいいかというテーマについて考察し、「自分自身と向き合うことはとても難しいことだ。自由、平等、正義、性のタブーに真摯に向き合い考えることが大切だ」と話した。
学生からは「求めていた答えこそが問題だという結論には驚いた」「日本は支配、抑圧されていないのに、西洋化が続いているのはなぜか」といった意見、質問が寄せられた。小坂井氏からは「差別と格差はなくならないが、その中で人はどのように生きていくのか。正解はないかもしれないが常識にとらわれず自分の頭で考えてほしい」と結んだ。
小坂井氏はフランス社会科学高等研究院で博士号を取得し、在仏で社会心理学を研究、昨年までパリ第8大学で准教授を務めた。新たな日本人論を構築し、『民族という虚構』『矛盾と創造』など著書多数。
冒頭、嶋根教授は小坂井氏と小中学校の同級生だった縁が今回の講演につながったエピソードを紹介し、「社会、人間とは何か、意識は何にとらわれているのかを考えるいい機会にしてほしい」と開講意図を述べた。
小坂井氏は知識の獲得とは何なのかに言及した。「常識から逃れて新しい知見をもつことが大切だ」と述べ、例え話を交えながら、常識と矛盾について語った。矛盾に気づいた時のアプローチとして「どちらかの理論が誤り」「条件ごとに理論を使い分ける」「前提を見直し矛盾を解く」の三つがあるが、前提を見直すことが最も大切だと語り掛けた。
同一性と変化のパラドックスにも触れ、同一性は心理学的な錯覚であるとする。「テセウスの船」(船のすべての部品が置き換えられた時、過去の船と現在の船は同一のものと呼べるか)といえる現象が日々、日本人に起きているが、日本人の同一性は維持されていることなどを例にとり説明した。
また、差別の問題に関しては、差別は抑圧と支配によるものとされてきたが、本当だろうかと、日本の西洋化を挙げながら学生たちに問いかけた。
最後に自分自身の思考枠を変えるにはどうしたらいいかというテーマについて考察し、「自分自身と向き合うことはとても難しいことだ。自由、平等、正義、性のタブーに真摯に向き合い考えることが大切だ」と話した。
学生からは「求めていた答えこそが問題だという結論には驚いた」「日本は支配、抑圧されていないのに、西洋化が続いているのはなぜか」といった意見、質問が寄せられた。小坂井氏からは「差別と格差はなくならないが、その中で人はどのように生きていくのか。正解はないかもしれないが常識にとらわれず自分の頭で考えてほしい」と結んだ。

