2024.10.01 Tue
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「首都圏の関東大震災100年」シンポ
博物館展示や災害デジタルアーカイブなど報告

20241001関東大震災100年シンポ_01▲関東大震災100年関連の企画展に関連して、情報発信やデータ保存について議論した
専修大学社会科学研究所、専修大学今村法律研究室、首都圏形成史研究会の合同シンポジウム「首都圏の関東大震災100年―博物館の企画展示事業を中心に―」が9月14日、神田キャンパスで開催された。震災発生から100年となった2023年に、首都圏の博物館で実施されたさまざまな企画展示を振り返るとともに、今後の情報発信の仕方や資料の発掘・保存について議論した。本学からは、大学史資料室の瀬戸口龍一室長と、坂誥智美法学部教授、佐藤慶一ネットワーク情報学部教授が報告した。

昨年、全国で226の関東大震災関連企画展示が実施された。新たな資料の発掘や、既存資料のデジタル化について、災害史研究家の北原糸子さんが基調報告を行った。
事例報告では、東京・神奈川・埼玉・千葉の博物館で開催された企画展示の概要が紹介された。本学の瀬戸口室長と坂誥教授は、昨年、神田キャンパスで実施した企画展「関東大震災と専修大学」について報告した。瀬戸口室長は、震災復興を機会として見いだされる学生や卒業⽣たちの校友意識の⾼まりや、神保町古書店街への影響などについて紹介した。坂誥教授は「震災後の訴訟など、法律の視点から関東大震災を振り返る珍しい展示となった」と述べ、学生からの反響などを伝えた。

佐藤教授は「災害デジタルアーカイブと質的データ分析技術の活用」をテーマに発表した。「ウェブ上のデータは徐々に消えていく」と、東日本大震災10年を過ぎて閉鎖された震災アーカイブが出てきていることや、「日本災害DIGITALアーカイブ」の活用事例を紹介した。また、「全国で開催された226の企画展をすべて見ることは難しいが、デジタルアーカイブ化することで可能になる」と述べた。

シンポジウムの締めくくりとして、パネルディスカッションを実施。被災者や記録者の氏名公開などの個人情報の問題、自治体との連携やデジタル化に向けた課題などについて意見を交わした。
20241001関東大震災100年シンポ_02▲本学で行われた企画展について説明する坂誥教授
20241001関東大震災100年シンポ_03▲データ収集と保存の重要性を訴えた佐藤教授
20241001関東大震災100年シンポ_04▲パネルディスカッション

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