2024.08.28 Wed
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陳柏劭さん(経済3)現役大学生でプロ試験合格—囲碁棋士として始動

陳柏劭さん(経済3)は昨年末、囲碁のプロ棋士採用試験に合格し、今年からプロ棋士として活躍している。
台湾出身の陳さんは、幼稚園から囲碁を始め、実力を発揮した。プロ棋士を目指し小学5年で来日、2014年に日本棋院東京本院の院生になった。潘善琪八段に師事すると同時に、多くの棋士志望者がしのぎを削る洪道場(杉並区)で力をつけていった。

東京本院では毎年、夏と冬に2種類の試験が行われ、プロ棋士に採用されるのは3人程度。17歳まで(コロナの影響で陳さんの年代は18歳まで)という厳しい年齢制限もある。惜しくも院生時代にプロ入りはかなわず、院生のほかに院外の実力者を加えた冬季試験で挑戦を続けた。

大学2年次のときに外来として2度目の試験で、見事2位となり、1月から対局開始。4月に正式にプロになった
「受験勉強と囲碁の両立が厳しかった」と振り返る陳さん。道場に週6回通い、学校の授業がないときには1日10時間以上練習を続けたほか、週2回は師匠の潘八段から指導を受けた。さらに自宅ではネット碁で研究を重ね、AIの活用も余念がない。「打った碁をAIにかけると、どこが悪かったのか、次はどう打てばいいのか示してくれる。自分では思いつかないような手もあり、刺激になる」と語る。
20240820陳柏劭さん_01▲プロ棋士として活躍する陳さん
プロになっての戦績は9勝7敗(8月20日現在)。学業と囲碁の両立に励みながら勝利を重ね、段位を上げていき、「いずれタイトルを獲りたい」と静かに闘志を燃やす。
今夏には専大の囲碁部にも入部した。囲碁部は現在、陳さんのほかは部員1人だが、SNSで陳さんの応援を続けながら本格的な活動再開を目指している。顧問の内野明商学部教授は「トッププロを目指してほしい」と陳さんにエールを送る。