2024.05.22 Wed
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文学部・英語英米文学科 特別総合講義
「食」をテーマに作品の鑑賞・分析方法学ぶ

文学部英語英米文学科の「特別総合講義」では、さまざまな分野の専門家や研究者を招き、オムニバス形式の授業を行っている。今年度は中垣恒太郎教授がコーディネーターを務め、「英米文学文化における食の風景」をテーマに、作品の鑑賞・分析方法を学んでいる。
各回の内容は、児童文学、チャップリン、現代アメリカ文化、『赤毛のアン』など非常に多彩だ。

4月24日は、翻訳家で東京大学名誉教授の柴田元幸さんが「文学のレッスン――<食>」と題して講義を行った。マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』やケイト・ショパン『めざめ』などを題材に、作中に登場する「食」に関する印象的な場面について、当時の時代背景や作家の技巧的特徴を交えて解説した。
また、「食」との対比で「飢え」というモチーフにも着目し、極限状況における人間と狼のサバイバルを描いたジャック・ロンドン『生への執着』を紹介。エドガー・アラン・ポーの作品については、「食事の場面はほとんど登場しないが、数少ない食の描写が強烈な印象を残す」と評した。

中垣教授から、海外文学の初学者に向けてアドバイスを求められた柴田さんは、「カズオ・イシグロとポール・オースターは英語でも読みやすいのでおすすめ」と語った。

聴講した学生たちは、アメリカ文学翻訳の第一人者である柴田さんの話に熱心に耳を傾けていた。3年次の男子学生は、「翻訳家の方の講義を聴くのは初めてなので新鮮だった。作者の個性を手がかりにして作品を読み解くアプローチが興味深かった」と感想を述べた。
20240520英語英米特別総合講義_01▲原文と訳文を比較しながら文学作品を鑑賞した
20240520英語英米特別総合講義_02▲柴田さん(右端)のアドバイスを熱心に聴く学生たち

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