2024.01.19 Fri
ONLINETOPICS
人文研公開講演会
山地と人との関わり読み解く

「山地と人間――地理学からのアプローチ――」をテーマにした人文科学研究所の公開講演会が12月16日、神田キャンパスで開催された。文学部環境地理学科の熊木洋太教授と山本充教授が、山という自然と人との関わりについて語った。
人文科学研究所では2018年度から20年度にかけて環境地理学科の全教員による特別共同研究を助成。その成果をまとめた『山地と人間』(専修大学出版局)が出版されたことを記念し、講演会を企画した。
自然災害が専門の熊木教授は、地形などをカギに、山地特有の災害について語った。起伏に富み、斜面が多いことが山地の特徴であり、それゆえに地滑りなどの災害が起こりやすい。雨による土砂災害や、地震での斜面崩壊について解説。災害対策として「ハザードマップも万能ではない。災害が起きる場所はある程度条件が決まっているので、関心のある地域の地図や写真を見て、自分で地形の姿を把握することが重要だ」とまとめた。
山本教授は「山地への誘い――登山・観光・移住――」として、人々と山のつきあい方、山地の楽しみ方の変遷を、日本とヨーロッパの事例を挙げて報告した。「山というのは風景の中でも目立つ存在。崇拝の対象にもなり、多くの人々が魅了されてきた。日本では“聖なる山”があちこちにあり、登山が信仰の証しになった」と述べる一方、ヨーロッパでは山は必ずしも聖地ではなく、人々が登山をするようになってから聖地化していったという。日欧の山地における観光や移住についても縦横に語った。
人文科学研究所では2018年度から20年度にかけて環境地理学科の全教員による特別共同研究を助成。その成果をまとめた『山地と人間』(専修大学出版局)が出版されたことを記念し、講演会を企画した。
自然災害が専門の熊木教授は、地形などをカギに、山地特有の災害について語った。起伏に富み、斜面が多いことが山地の特徴であり、それゆえに地滑りなどの災害が起こりやすい。雨による土砂災害や、地震での斜面崩壊について解説。災害対策として「ハザードマップも万能ではない。災害が起きる場所はある程度条件が決まっているので、関心のある地域の地図や写真を見て、自分で地形の姿を把握することが重要だ」とまとめた。
山本教授は「山地への誘い――登山・観光・移住――」として、人々と山のつきあい方、山地の楽しみ方の変遷を、日本とヨーロッパの事例を挙げて報告した。「山というのは風景の中でも目立つ存在。崇拝の対象にもなり、多くの人々が魅了されてきた。日本では“聖なる山”があちこちにあり、登山が信仰の証しになった」と述べる一方、ヨーロッパでは山は必ずしも聖地ではなく、人々が登山をするようになってから聖地化していったという。日欧の山地における観光や移住についても縦横に語った。

