2023.04.28 Fri
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文学部ジャーナリズム学科公開シンポジウム
「『取材の自由』再考 ~官邸取材を事例として」開催

20230428_TOPICS_文学部シンポジウム05▲「取材の自由」をテーマに開催された公開シンポジウム
文学部ジャーナリズム学科主催の公開シンポジウム「『取材の自由』再考 ~官邸取材を事例として」が4月22日、神田キャンパスで開かれた。毎日新聞政治部長の中田卓二さんと北海学園大学の韓永學教授を招き、昨今の官邸取材や「取材の自由」の意義について意見を交わした。山田健太教授が司会進行を務めた。
20230428_TOPICS_文学部シンポジウム02▲オフレコ取材のあり方について
問題提起する中田さん

今年2月、オフレコを前提とした取材での元首相秘書官による差別発言が実名で報じられたのを機に、取材や報道の自由、国民の知る権利などへの関心が高まっている。
シンポジウムでは、はじめに中田さんが、オフレコを解除して実名報道するに至った経緯を説明。その後、「日本の政治取材の大半はオフレコで行われる」と現場の実情を紹介し、功罪併せ持つオフレコ取材のあり方について問題提起した。

これを受けて、メディア倫理法制が専門の韓教授が、国民の知る権利に照らして正当性があればオフレコ解除は許容されるとの見解を示した。また、民主主義社会において取材の自由が最大限保障されることの重要性について説いた。
注目度の高いテーマということもあり、学生や教員、メディア関係者など約70人が参加。登壇者と参加者の間で、オフレコ取材の是非やメディア教育などについて活発な意見交換も行われた。

ジャーナリズム学科2年次生は、「授業ではなかなか知ることのできない現場の話を聞けたのは新鮮であり、今後より深く学びたいと思うきっかけになった」「メディアと政府、メディアと市民の関係について深く考えさせられた」と感想を寄せた。
20230428_TOPICS_文学部シンポジウム03▲公益性の観点から「取材の自由」
について解説する韓教授

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