2023.04.06 Thu
ONLINETOPICS
2023年度入学式を挙行

新入生は、学部4505人、大学院107人、法科大学院16人。
佐々木重人学長は式辞の冒頭、英語で入学を歓迎。コロナ禍を経て、本年度は教育研究活動が平常の状態になる見通しであることを示し、「皆さんが思う存分、自己表現できる環境を提供していきたい。Society 5.0で活躍できる人材となるためにも、主体的な学びを自らの力で行い、自分自身を鍛えなければならない」と呼びかけた。
松木健一理事長は「本日は専修人として自身の可能性への挑戦を始める誓いの日。自分が持つ無限の力を信じ、実践してほしい」と激励。
日髙義博総長は「意志あるところに道は開ける。皆さんの力みなぎる活躍が専修大学の発展につながる」と活躍に期待を寄せた。
ご父母・保護者の会である育友会の吉村信子会長は祝辞で「4年間はあっという間。目標に向けて果敢にチャレンジしてほしい」と述べた。




▲全学応援団による演舞
佐々木重人学長式辞

本日、学部・大学院・法科大学院に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様にも、謹んでお慶びを申し上げます。
2020年から猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。とりわけ、皆さんは、高校生活の大半を大きな活動制限を強いられる中で過ごし、かつ大学受験をめざさなければならないという経験をされました。このことは、本学も同様で、ここまでの期間、コロナ感染防止対策の連続に明け暮れた毎日でした。しかし、今年度、本学の教育研究活動は、晴れて平常の状態になる見通しです。本学は、皆さんが思う存分、自己表現できる環境を提供していきたいと思います。
そこで、初めに新入生の皆さんには、本学の創立者たちの志を共有することを通じて、専修大学のユニバーシティ・アイデンティティについて知っていただきたいと思います。それは、専修大学で学んだ者が結果として獲得する共通の価値観というべきものです。
2020年から猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。とりわけ、皆さんは、高校生活の大半を大きな活動制限を強いられる中で過ごし、かつ大学受験をめざさなければならないという経験をされました。このことは、本学も同様で、ここまでの期間、コロナ感染防止対策の連続に明け暮れた毎日でした。しかし、今年度、本学の教育研究活動は、晴れて平常の状態になる見通しです。本学は、皆さんが思う存分、自己表現できる環境を提供していきたいと思います。
そこで、初めに新入生の皆さんには、本学の創立者たちの志を共有することを通じて、専修大学のユニバーシティ・アイデンティティについて知っていただきたいと思います。それは、専修大学で学んだ者が結果として獲得する共通の価値観というべきものです。
これは私自身の経験でありますが、かつて、私は、本学商学部の学生として入学式に臨み、当時の学長から、「報恩奉仕」の精神を説かれた折りに、ちょっとした違和感があった記憶があります。創立者にとって「報恩奉仕」の対象は、自らの留学のための奨学金を提供してくれた国ないし納税者、すなわち広く「社会」とするのは自然なことなのですが、私にとっての「報恩奉仕」の直接の対象は、「社会」というより、学費を工面してくれた両親ではないのかと思いました。
実を言うと、この気持ちは、教員となった後も続いていたのですが、今世紀の初めに、その建学の精神を現代的にアレンジした21世紀ビジョン「社会知性の開発」を教育目標に掲げることによって、その真意がつかめるようになりました。英文では、The Development of Socio-Intelligenceと表記されます。私は、専修大学の英文表記の一つとして、Socio-Intelligence University、略してSiUを用いることを提案することにいたしました。
「社会知性の開発」とは、皆さんが専修大学で身につける知識や技能を自分だけのものとして完結させてしまうのではなく、その知識や技能を社会、すなわち家族、所属する組織ないしは地域等の諸課題の解決のためにも積極的に活用すべきというマインドを身につけることを意味しております。そのようなマインド醸成のため、本学は、深い人間理解につながる教育、倫理観を重んじる教育、独創的発想を促す教育そして地球的視野を持たせる教育を基本に据えたカリキュラムポリシーを採用しております。
以上のことから、「社会知性の開発」は、今の専修大学の方向性を最も簡潔に表現する教育ミッションでもあります。
本学での学びにあたり、皆さんに意識していただきたいのは、今の自分のライバルは、他人ではなく、4年後の自分自身であるということです。具体的には、目標とする4年後の自分となるために必要な3年後の自分、さらには、2年後の自分、そして目指す来年の今ごろの自分になるため、今何をしなければならないのかを考えてほしいと思います。そしてその決意に基づいて、一心不乱に努力してほしい。専修大学は、そのような皆さんの志の実現のため、さまざまな支援プログラムを用意して、全力で皆さんをサポートしていく所存です。
今年度、本学が特に力を入れている取り組みと注意点をご紹介したいと思います。
第一は、いわゆる「Society 5.0」において活躍できる人材の育成についてです。今や人や組織の諸活動がインターネットを介して行われることが通常となり、その内容がビッグデータとしてサイバー空間の随所に蓄積されるようになりました。
「Society 5.0」とは、そのビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その結果が新たに創出された価値として、産業や社会にフィードバックされることで、経済発展と同時に社会的課題の解決を両立させる人間中心の社会と言われます。
特にAIの進歩は目を見張るものがあります。あらゆる分野のデータを分析可能とする「汎用AI」が開発され、対話型人工知能「ChatGPT」が現在話題となっております。このAIは「有能な秘書」として使えるという声がビジネスの世界でも上がっている一方で、教育の現場では、学生の知的訓練を阻害する可能性も指摘されています。
皆さんは、将来、この「有能な秘書」が提供した回答の是非や採用の如何を適切に判断できるようになるため、まず、その土台となる主体的な学びを自らの力で行い、自分自身を鍛えておかなければなりません。
このような「Society 5.0」の特徴を理解して、多様なビックデータの解析能力を習得するため、「Siデータサイエンス教育プログラム」が昨年度から始まり、2年目の今年度では、基礎レベルに加えて、応用レベルの科目群も履修できるようになりました。このプログラムの受講によって得られる数理データサイエンスAI知識は、皆さんがそれぞれの学部で修得する教養・専門知識を「Society 5.0」で活用するために大いに役立つことでしょう。
第二は、来年度から全学で導入される「SiUグローカル・スマートキャンパス」への対応についてです。皆さんは、キャンパス内・自宅・留学先と場所を問わず、学修ポートフォリオを基盤としたさまざまなサポート機能やキャリア形成支援機能をパソコン上で受けることが想定されています。加えて、今年度から授業で利用する特殊なソフトウェアを遠隔利用するシステムを先行して運用するため、皆さんには、ご自分のノートパソコンを用意していただきました。
最後に、SDGs目標16は、「平和と公正をすべての人に」でありますが、今、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により無辜の市民の命が奪われている悲劇を一刻も早く止める必要性を訴えたいと思います。一日も早く、ウクライナにまた平和が戻ることを祈りつつ、学長式辞といたします。
ご入学おめでとうございます。
令和5年4月5日
専修大学 学長 佐々木重人





