2023.03.15 Wed
ONLINETOPICS
社会知性開発研究センター/ソーシャル・ウェルビーイング研究拠点が国際シンポジウムを開催

今回のシンポジウムは、独立行政法人日本学術振興会 研究拠点形成事業(B.アジア・アフリカ学術基盤形成型)に同拠点の研究テーマ「アジア型社会関係資本を活かした途上国における能動的レジリエンスの醸成(コーディネータ:金井雅之人間科学部教授)」が採択され(研究活動期間は3年間)、研究活動1年目を締め括るイベント(セミナー)として開催されたものである。


2月3日(金)には、「Harmonization of Asian Well-Being Interview Data for Publication」と題して、プロジェクト会議が実施された。国際比較を目的とした質的インタビューデータを整合化し、公開するための検討事項をまとめるため、ソウル国立大学社会科学部社会科学資料院(ソーシャル・ウェルビーイング研究拠点と国際交流組織間協定を締結している)のHyejin Kim氏から、世界のデータアーカイブにおける動向と、データハーモナイゼーションのために考慮すべき点を概観するレクチャーが行われた。その後、現状を確認し、データハーモナイゼーションに向けた戦略やスケジュールについて、議論した。
2月4日(土)には、「Photovoice Plans and ECR Progress Reports」と題して、プロジェクト会議が実施された。ソーシャル・ウェルビーイング研究拠点は3年間のプロジェクトにおいて「社会関係資本がプロアクティブ・レジリエンス、すなわち新興感染症など現代社会の未知の危機を予測し迅速に対応する能力の構築につながるメカニズムを明らかにすること」を目的としている。これを達成するため、2023年度または2024年度に日本及びアジア7か国(タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、モンゴル、韓国、台湾)でフォトボイス調査を実施する予定になっている。フォトボイス調査を成功させるには、慎重な検討と準備が必要であるため、この会議で日本チームによる3回のパイロット調査の経験と、全チームの予備計画を共有し、さらには全チームの計画やスケジュールを議論した。


2月5日(日)には、「The 7th Conference of the International Consortium for Social Well-Being Studies『Resilience and Well-Being in East and Southeast Asia』」として、公開シンポジウムがハイブリッド形式で開催された。第1部では、危機における主体的なレジリエンスに関する2つのパイロット調査の報告がなされた。日本・ベトナム合同チームが在日ベトナム人労働者に、インドネシアチームが統合失調症の人とその介護者に焦点を当てた内容となった。第2部では、日本チームのメンバーがインタビューデータを使ってプレゼンテーションを行った。
2月3日~5日のプロジェクト会議及びシンポジウムには、日本及びアジア7か国(タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、モンゴル、韓国、台湾)の研究者43名が参加した。また、2月5日のシンポジウムには、一般参加者として上記研究者の他、オンライン・対面で計16名が参加した。
また、上記3日間の開催期間中、パイロット調査の成果報告として、在日ベトナム人労働者の日本での暮らしぶりが説明文とともに写真として公開展示され、来校した研究者たちの好評を博した。


