2022.01.28 Fri
ONLINETOPICS
文学部ジャーナリズム学科 映像作品2点
東京ビデオフェスティバル2022入賞

TVFはNPO法人「市民がつくる TVF」主催。13回目の今回は国内外から110本の応募があった。このうち入賞作品となる「TVF2022 アワード」に38作品が決定した。
川崎市のヘイトスピーチ問題を取り上げた『ともに。』は、佐藤萌花さんと林田侑未さんが作製。差別のない社会をつくるため奮闘する人々へのインタビューを通して、「現状を知らなければならない」と訴えた。「難しいテーマなのでどのように伝えようか悩んだが、自分たちの目線で表現しようと決めた」と林田さん。まずは当事者にこれまでのあらましや現状を伺った上で質問事項や構成を考え、改めてインタビューを行った。「ヘイトを無くすために活動している人たちは、立場は違っても同じ思いで戦っていると感じた。この作品を見た多くの人たちに、その思いをつなげていきたい」と語る。
性的マイノリティーと就職活動を絡めた作品『自分らしく生きる』を作ったのは、三田村帆夏さん、十時伶緒さん、蜂谷来未さん。取材を受けてくれる人がなかなか見つからず難航したが、つてを頼り性的マイノリティー当事者のインタビューを実施。三田村さんは「画一的になりがちな就活で、自分らしさをどのように表すか考えるヒントになった」と話す。作品制作は初めて。映像が途切れないようにインタビュー以外の「絵」を作るのに苦心したという。「当事者の声を伝えることができた。多様な社会をつくるために一人一人ができることがあるんだと感じた」と活動を振り返る。
指導する松原特任教授は、放送局で長年活躍し、今も局でドキュメンタリー制作を行っている。今年度就任し初めて持ったゼミでは社会課題を映像化することをテーマに設定した。10人のゼミ生はチームに分かれ、それぞれの関心事について議論を重ね、取材し、編集。短編作品に仕上げた。松原ゼミからはTVFに4作品を応募した。
松原特任教授は「学生たちはもともと問題意識が高く、みんなで議論する中で課題を見つけ、アプローチの仕方を探っていった。入賞作品以外に、子宮頸がんワクチン接種の第一世代として、情報不足を扱ったものや、大学生がどの媒体からニュースを得ているのか、決して政治問題に関心が低いわけではないことを丹念に取材したものなど、自分たちの目線で取り組んだ。なかなか取材に応じてくれる人がいない中でも、あきらめずに情報を集め、壁をこじ開けて作品を仕上げたのは大したものだ」と語っている。
作品はTVFのホームページから視聴できる。