2022.01.22 Sat
CALL教室・外国語教育研究室TOPICS
外国語のススメ【第116回】略語について
国際コミュニケーション学部准教授 宮田 宗彦
(外国語教育研究室長)
(外国語教育研究室長)
(応用言語学〈第二言語習得・英語教育学〉)

最近、文章や単語の先頭のローマ字、数字、漢字やカタカナを組み合わせた「略語」が日本語に蔓延しています。この「略語」は分かる人には分かるのですが、分からない人にはまったく意味がわかりません。このローマ字や数字、漢字やカタカナを組み合わせて作られる「略語」には英語発のもの、日本語から作られたもの、そして外国語の影響を受け新しく作られた日本語の略語などさまざまなものが存在します。
略語は大きく頭字語(acronyms)と省略語(abbreviations)に分けられます。両方とも特定の語の一部を省略あるいは簡略にしたものですが、頭字語は、一連の単語の最初の文字をつなげて作られたもの、省略語は、ある語の一部を何らかの方法で省略または簡略化したものです。
略語は大きく頭字語(acronyms)と省略語(abbreviations)に分けられます。両方とも特定の語の一部を省略あるいは簡略にしたものですが、頭字語は、一連の単語の最初の文字をつなげて作られたもの、省略語は、ある語の一部を何らかの方法で省略または簡略化したものです。
日本語の略語もが英語と同じ経過を経て作られます。日本語の頭字語は、国際連合は国連、公正取引委員会は公取委、東京横浜は京浜、外国為替は外為、日本放送協会は、Nippon Hoso Kyokai を経て、NHKと変化します。外来語から和製英語に変化して、略語になった日本語には、パーソナルコンピューターがパソコン、ストライキはスト、エンジンストールはエンスト、コンビニエンスストアはコンビニ、チョコレートはチョコなどが挙げられます。
日本語を母国語にするものにとって、外国語発の略語は覚えるのに大変苦労します。同様に、日本語を学ぶ外国人にとって、日本語発の略語の学習は大変でなかなか覚えることができないと言われています。略語は本来コミュニケーションをスムーズにするために、我々がごく自然に作ったものですが、略語が外国語として現れると意味がわからずに理解に大変苦労するものになってしまうようです。略語の蔓延は外国語の理解をますます難しくする要因の一つになっているのかもしれません。