2021.03.30 Tue
歴史コラムキャンパスをめぐる今昔

卒業アルバム

M41アルバムhp大学史資料室が所蔵する最も古い卒業アルバム(明治41年)
専修大学の卒業アルバムが、いつ頃からつくられるようになったのかは定かではありませんが、本学が所蔵する最も古いアルバムは「専修学校経済科第廿七回卒業紀念写真帖」と題された明治41年(1908)7月に発行されたものです。創立者の手による題字、校舎の外観や教室の様子、そして講師と卒業生全員の肖像写真が収録されています。
現在のような遊び心豊かな卒業アルバムになるのは、大正期になってからのことです。その理由として学生数が増え、学内のイベントが増えたことなどが挙げられますが、何よりも学生自身がその編集に携わるようになったことがその要因でしょう。
大正期は「大正デモクラシー」という風潮の中、学生たちも自らの権利や主張を声高に叫ぶようになった時代です。「専修学校」を、大学令(大正7年公布)による「専修大学」へと昇格させるための運動を真っ先に起こしたのも学生たちでした。
学生たちが編集したアルバムには、それまでの教職員や卒業生の写真だけでなく、キャンパスがある神田の町や商店、研究会やクラブ活動、その時期を象徴するような出来事も掲載されるようになりました。イラストやキャプションが入り、デザインにもこだわるなど、現在の卒業アルバムに引き継がれる編集方針を随所に見ることができます。自分たちが学生時代の思い出を振り返ることのできる卒業アルバムをつくりたかったのでしょう。
大正期の神保町界隈hp大正10年の卒業アルバムに掲載された神保町界隈の写真
昭和16年12月専門部卒業アルバムの編集委員hp昭和16年の専門部卒業アルバムの編集委員たち