2020.06.29 Mon
ONLINETOPICS

「学長伝書鳩」No.5

学長伝書鳩5

専修大学の「オンライン授業」は、6月下旬の今日まで、学生の皆さんやご父母・保護者の皆様のご理解とご協力に支えられ、また教職員の努力により、日々粛々と進められております。一方、生田キャンパスや神田キャンパスの校舎群は、日々の清掃のほか、利用の程度に関わりなく発生する損耗への手当てや法令上求められている点検・補修作業を行いながら、早期の本格稼働に備えて、スタンバイ状態を続けております。この時点で私たちが気にし始めたことの一つは、オンライン授業が後期以降でも継続される可能性があるのかどうかということです。今回は、この点について、皆さんと情報共有をさせていただきたいと思います。

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8月以降、国の政策として、「Go To キャンペーン」も開始され、屋内イベントでも収容人数制限が解除される見通しです。しかし、6月末時点の現状では、新型コロナウイルス感染リスクが明らかに低減してきているという確証を必ずしも実感することはできません。また、教室での対面授業実施に際し、一つの教室に収容できる学生数は、「(教室)定員の半分以下」にすべきというのを、本学ではおおよその基準としております。つまり、ある授業科目の履修学生数が50名という場合には、その授業では、収容人数が65名の小教室ではなく、100名以上を収容できる中教室が必要となるのです。
先日、本学のIR(Institutional Research)担当部署に依頼して、本学のすべての授業科目について、それぞれ履修学生数が何人いるかを調査してもらいました。その調査結果によると、本学の多くの授業が100名以下の履修者数のサイズとなっていることがわかりました。つまり、すべての授業を対面式でやろうとすると、(さらに精査する必要がありますが)中教室ないしは大教室の数が足りなくなる曜日・時限が発生する可能性があります。結論として、私は、教室で行う対面授業を後期から開始する場合であっても、オンライン授業との併用は不可避となるのではないかと考えております。
以上のことを想定したうえで、本学には、前期に実施中のオンライン授業の現状を把握し一旦総括するとともに、その質の向上を図るためのヒントを教員に提供する責任があると感じております。その第一段階として、学生の皆さんに、現状のオンライン授業に対する忌憚のない意見や希望を出していただく必要があると思っております。現在、本学は、全学的な「オンライン授業アンケート」実施に向けた準備を行っております。限られた期間内に回答をお願いすることになると思いますが、コロナ禍に負けない大学づくりのため、ぜひ皆さんのご協力をお願いいたします。
他方、コロナ禍への対応ということで受動的にスタートさせたオンライン授業ですが、この機を捉えて、オンライン授業という教育ツールの活用可能性も本格的に検討すべきとも考えます。それは、例えば、生田キャンパスと神田キャンパスとの場所的隔たりを解消する手段となったり、伊勢原グラウンドで活動する体育会所属学生へのサポート手段となったり、また本学と国際交流協定校間でオンライン授業の相互提供を通じた新しい学びのパッケージを設計できる可能性もあると思われます。学生の皆さんも今後のオンライン授業に向けたアイデアがあれば、アンケートを通じてぜひお聞かせください。