2014.06.02 Mon
CALL教室・外国語教育研究室TOPICS
外国語のススメ【第48回】「三単現のエス」幻想
文学部 教授 三浦 弘(英語担当)

学生の皆さんは中学や高校の英語の授業から「正しい英語」というものがあるという幻想を抱かされていて,なかなか英語が話せないようです。しかし,そんなものは世の中には存在しません。学校の英語では標準英語の用法を学習するために,試験のときに標準的でない英語を解答すれば得点出来ません。三人称単数現在形のエスを落とせば,バツになります。
スコットランドの伝統料理「ハギス」(haggis)は,マッシュしたカブ(turnip)とジャガイモ(potato)を一緒に食べます。写真(2011年8月筆者撮影)のハギスはグラスゴーにある有名レストラン(the Ubiquitous Chip)のもので,羊肉ではなくシカ肉を使っています。スコットランドではこの料理を「ハギス・ニープス(neeps)・アンド・タティーズ(tatties)」と呼びます。そう,スコットランドではジャガイモはpotatoではなく,tattieなのです。
言語は使用されることによって変化します。つまり,コミュニティーごとに変わっていきます。その単位は二人から始まります。方言というのは,地理的な隔たりがあると思われがちですが,実は家族や仲間という集団ごとに異なります。ですから,全く同じ言語を話すヒトなど一人もいないのです。ましてや正しい英語などというものはありません。文法ばかりを気にせずに英語を話しましょう。
写真:Haggis, neeps & tatties
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