2014.04.01 Tue
CALL教室・外国語教育研究室TOPICS
外国語のススメ【第46回】e-learningでの外国語学習をLL教室でなく、「CALL教室」で!
外国語教育研究室長・経済学部教授 寺尾 格(ドイツ語担当)

「LL教室」は1964年に「専修大学視聴覚教室」として発足し、そして1981年から現在の1号館地下の「視聴覚教室(LL教室)」となりました。LLとはLanguage Laboratoryの略ですが、「視聴覚室」が先に来ていることからもわかるように、もともとは視聴覚機器の利用を促進する意図で設置されたものです。昔昔、まだ貧しくて、ミゼラブルな教育環境の時代に、せめて外国語教育ぐらいは、音声教材などの利用の必要があるとの判断でした。ちなみにウン十年前の私の学生時代には、DVDもCDもカセットテープもなくて、当時リンガフォンと言われていたレコード(!)しかありませんでしたが、とても学生の買える値段ではありませんでした。
「視聴覚」を特別視した「LL(Language Laboratory)教室」の旧名称は、ひとりひとりがブースに籠もって機器と向き合う「閉じた個人作業」のニュアンスが強いようです。今や完全にアナクロニズムと化しており、関東近県でも「LL教室」の名称を残している大学は非常に少ないのが現状です。むしろ視聴覚機器とコンピューターやインターネットとを統合して、自立した学習を「開かれたコミュニケーション」へと結びつけるような「コンピューター支援による外国語教室」をめざすという趣旨です。紙と鉛筆だけで受け身に学ぶ外国語から、耳と口と手足をフル活用しながら、相手と全身で向き合う態度が「語る」「聴く」「考える」というアクティヴに外国語を学ぶ行為です。
さて、情報科学センターとの統合の利点として、ひとつだけ宣伝させてください。4月からは、専修大学の学生であれば、三種類のe-learning英語教材が、使い放題となります。これは国際交流センターなどでのTOEFL対策講座として、従来は限られた利用しかできなかったものを、インターネット環境さえあれば、「誰でも」「いつでも」「どこでも」「何度でも」「無料で(!!)」勉強できるようになりました。もちろんCALL自習室でも利用できます。
まずは簡単な実力診断テストを受けて、自分の実力に合ったレベルから始められます。一定の量の英文が提示されて、それに対する大意のヒアリングや、語彙や文法等々、様々な質問に答えながら、何度も何度も繰り返し、間違えたところはさらに繰り返し、同じ英文を読み返し、聞き返している中で、実践的な表現力が蓄積されていきます。語学力とは、要するに反復の「汗の量」ですが、それを自然に続けられるように工夫されていて、なかなか良く出来ています。さしあたりは三種類の教材を用意しました。詳しくはHPやポスターなどで確認してください。今後は、内容をさらに充実させたいとも思っていますので、学生諸君の利用の感想などをお寄せ下されば、まことにありがたいです。