2017.04.06 Thu
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平成29年度入学式-4640人が新しい一歩-

佐々木重人学長式辞 日高義博理事長祝辞 フォト
佐々木重人学長式辞
本学は、1880年(明治13年)アメリカ合衆国の大学・大学院で法律学や経済学を学んだ相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格の4名の若者により、留学の機会を与えられたことの恩に報いるため、身に付けた専門知識を当時の近代日本の発展に貢献する人財を育成するために生かすべきとして設立されました。今、本学は、その建学の精神を「社会知性の開発をめざす大学」として受け継いでおります。それは、皆さんが入学された学部・大学院で身につけた専門知識や技能を自分だけのものとするのではなく、家族そして広く社会の発展のために生かすべきものという考え方を意味しております。そして、そのためには、深い倫理観を持ち、地球的視野から物事を見つめる姿勢を身につけるべきことを唱えております。

一方、生田キャンパスでは、2011年の東日本大震災の影響で取り壊しを余儀なくされた2号館と3号館の建て替え工事が完了し、本年度から、それぞれの新校舎の運用が始まりました。多摩丘陵の一角に位置する生田緑地でもっとも標高が高く、見晴らしのよい場所にそれらの建物は位置しております。
生田キャンパスは、最寄りの向ヶ丘遊園駅から、私自身が専修大学に入学した当時から変わらぬ長い坂道を上ったところにありますが、このような生田キャンパスが、「自分を鍛える場所」、「自らの将来の目標や決意を実現するための場所」、そして「友情を育む場所」となることを願っております。
生田新2号館や新3号館は、IT環境を強化し、スタジオ機能やシアター機能も併設した教室を設けました。また教員と学生、学生同士のコミュケーションを積極的に取り入れるアクティブ・ラーニングを可能とする教室や博物館実習室等も備えております。そして大学からの知の発信や思索の場を充実するため、社会知性開発センターや大学院のためのスペースも拡充いたしました。専修大学における新たな教育・研究施設として、また地域貢献にも積極的に活用することが期待されています。
以前、新入生に対して、専修大学にあったらいいものを聞いたところ、「のんびりできるところ」というのがありました。先般、ノーベル文学賞を受賞された、歌手のボブ・ディラン氏の作品に「風に吹かれて」という曲がありますが、新2号館と新3号館の間には、「生田の風」が24時間感じられるホールスペースが生まれました。その風に吹かれながら、四季の変化に応じて自然をゆっくりと楽しめる庭園もすぐ側にありますので、勉学や部活動の合間に心身をリフレッシュするには最適な空間と思います。是非ご利用ください。
今年入学される皆さんに、是非お願いしたいことがあります。それは、皆さんの在学中、専修大学が進めている改革を教職員とともに共有し、今皆さんが感じておられる現在の専修大学が、卒業する4年後までに、どのように変わったかを見届けていただきたいのです。
改革を実施するためには、施設の拡充も必要です。そのために必要となる高層の新校舎が、ここ日本武道館に程近い九段下駅から徒歩1分の靖国通りに面した新校地に2020年度に誕生することになっております。その新校舎の完成にあわせ、現在生田キャンパスに配置されております商学部を全面移設し、同時に国際系新学部を設置する予定にしています。皆さんが4年次となった桜の季節にお披露目となりますので、是非楽しみにしていてください。
ある意味で、新入生を巻き込んだ形で、本学の改革が進むということで、驚きや戸惑いも与えてしまう可能性もございますが、皆さんに今日の専修大学を超える明日の専修大学になるための苦労や努力の過程を知っていただくことで、結果的に皆さんが決意した目標の実現に向かう気持ちを鼓舞したいとも思います。ともに頑張ろうではありませんか。
最後に、皆さんがこれからの在学期間、とことん、専修大学が用意する教育カリキュラムや学生支援プログラム、図書館等の施設・設備を活用いただくことを期待しています。
これからの四年間は人生を左右する大事な期間であります。悔いのないよう、己の目指す目標を達成し、友人とともに充実した日々を過ごされることを切に希望して、学長としての式辞といたします。
日高義博理事長祝辞

めでたく専修大学に入学された皆さん、本当におめでとうございます。入学するまでご支援いただき、これからも在学中にご支援いただくご父母・保護者の方々にも心からお慶び申し上げます。
人それぞれだと思いますが、胸に秘めたるものがあると思います。それを在学中、大きく花開かせるように日々精進してもらいたいと思います。最近は地方にあっても大学の情報は頻繁に伝達されますし、どちらかというと情報過多の社会にあると思います。どうしても情報に追われがちであります。
人それぞれだと思いますが、胸に秘めたるものがあると思います。それを在学中、大きく花開かせるように日々精進してもらいたいと思います。最近は地方にあっても大学の情報は頻繁に伝達されますし、どちらかというと情報過多の社会にあると思います。どうしても情報に追われがちであります。
あるいは、偏差値というものもありませんでした。大学の情報もありませんでした。都内の大学では東大と一橋大学しか私の頭の中にはなかったのでありますが、大学の名称や偏差値に縛られることなく勉学に励むことができました。ひょっとしたら皆さんは偏差値の呪縛にそのままの状態で入学しているのかもわかりません。
大学では高校までの成績だとか偏差値だとか、そういうものはほとんど役に立たないと言っていいと思います。大学で評価される基準というのはそんなものではありません。いかに覚えたかではなくて、いかに発見し、いかに解決したか。ここにかかっています。
それが在学中、自分の行く道とシンクロしますと、卒業してからの30年先はほぼ決まります。在学中、いかに勉学したか、これが大事でありまして、皆さんの30年後の人生を決定すると言っていいほど重要な時期であります。4年間、あるいは大学院の在学期間、ここに自分の人生の可能性が全部集約されている、ぜひ重要な時期でありますので、外部的な評価にとらわれることなく自分の可能性と自分の直観を信じて幅広く勉強するべきだと私は思います。
専修大学は、先ほど学長が述べましたように明治13年にスタートしておりますが、これはわが国の近代の学問を学ぶ、いわばスタートとなりました。日本語によって近代の学問を学ぶスタートともなりました。そして日本の高等教育のプロセスは、法令に基づいて変わってきておりますけれども、スタート時の教育勅令であります教育令、専門学校令、大学令、これは旧制大学を含みます、そして戦後の学校教育法によって新制大学がスタートします。このすべての教育の歴史を専修大学は背負い、かつ歴史を刻んできました。28万人を超える卒業生がいますし、全国どこに行っても卒業生がそれぞれの場所で重要な役割を果たしていると思います。
皆さん、専修大学に入ったことに自信と誇りを持ってください。皆さんがやりたいということは、心が定まればそれを与えてくれる、あるいはもぎ取るチャンネルはどこにも転がっております。そういう大学です。
あるいは歴史が古いから、自分の行く道では先輩が邪魔になるかもしれません。そういう時は先輩を押しのけて前に進んでください。専修大学の卒業生、先輩は後輩にそういう力があると温かく見守って「先に行け」と言う雰囲気があります。これまでの138年になろうとする歴史の中で創立者たちが持った高等教育機関をつくろうとしたその精神が今日まで卒業生によって引き継がれています。この4年間で皆さんもその精神をゆっくりゆっくりでありましょうが、体の隅々まで染み込み、そしてそれが飛躍するバネになります。どうぞ自分の殻を破り、大きく発展してください。
スズメが1匹、皆さんを目の前で応援し、私のスピーチを聞いていますけれども、珍しいことです。鳥までが感動する入学式であります。どうぞ頑張ってください。私の祝辞といたします。







