2018.10.29 Mon
ONLINETOPICS
ボイスサンプルや日本語の発音について講演 大学院公開講座

大学院公開講座PART1「日本文化と日本語」の第3回が10月19日、神田キャンパスで行われた。ナレーター、声優として活躍する松田佑貴さんが「ナレーションと日本語―発音とボイスサンプル作成の基礎―」と題して講演した。講座には学生、大学院生のほか日本語教師も多く出席し、日本語の発音やボイスサンプルについて理解を深めた。

松田さんはアニメやゲームのキャラクターの声、CMなどのナレーションを行うなど多方面で活躍。NHK朝の連続テレビ小説では18年間、目の不自由な人向けの副音声ナレーションを務め、現在放送中の『まんぷく』でも副音声を担当している。ナレーションのボイスサンプルの作成にも携わり、ナレーターを支える活動にも取り組んでいる。
講演では、ナレーターの仕事を説明し、仕事につながるボイスサンプルについて解説した。ボイスサンプルは、キャラクターのセリフやナレーション原稿などを読み上げたサンプルを収録する。声の特徴や演技の幅を示す〝声の名刺〟で、番組によって求められる声質や読み方が異なるため、ニーズに合わせたボイスサンプルが必要となる。
講演では、ナレーターの仕事を説明し、仕事につながるボイスサンプルについて解説した。ボイスサンプルは、キャラクターのセリフやナレーション原稿などを読み上げたサンプルを収録する。声の特徴や演技の幅を示す〝声の名刺〟で、番組によって求められる声質や読み方が異なるため、ニーズに合わせたボイスサンプルが必要となる。
さらに、日本語の発音について解説した。アクセント、滑舌、発声、表現技術などのプロのテクニックを紹介。「ただ大きな声を出すのでなく、口を横に広げるなど意識することで、小さな声でも遠くに伝えやすくなる」と話し、聴講者全員が実践してみた。
日本語の発音の特徴である一文字一拍を説明。「日本語だとビューティフル(Beautiful)は『ビュ』『ー』『ティ』『フ』『ル』の5拍だが、英語は「Beau」『ti』『ful』の3音節になる。長音(ー)、撥音(ん)、促音(っ)を1拍として捉えるのは日本語の特徴で、日本人でもしっかりと意識して話している人は少ない」と説明した。
日本語の発音の特徴である一文字一拍を説明。「日本語だとビューティフル(Beautiful)は『ビュ』『ー』『ティ』『フ』『ル』の5拍だが、英語は「Beau」『ti』『ful』の3音節になる。長音(ー)、撥音(ん)、促音(っ)を1拍として捉えるのは日本語の特徴で、日本人でもしっかりと意識して話している人は少ない」と説明した。


大学院文学研究科修士課程の大塚明子さんの司会で質疑応答が活発に行われた。「自分の声にコンプレックスがある」という発言には、「コンプレックスを感じて声が小さくなったりするのはもったいない。個性を受け入れ、どんどん使ってほしい」と話した。
外国人に日本語を教えている人からの質問に、王伸子大学院文学研究科教授は「外国人学習者にとって、長音、促音、撥音を意識することは難しい。『奨学金』をキーボードに入力する際、『syogakukin』ではなく『syougakukin』で変換できることで間違いに気付くケースがある」と話した。
外国人に日本語を教えている人からの質問に、王伸子大学院文学研究科教授は「外国人学習者にとって、長音、促音、撥音を意識することは難しい。『奨学金』をキーボードに入力する際、『syogakukin』ではなく『syougakukin』で変換できることで間違いに気付くケースがある」と話した。
松田さんの講演を受け、26日には王教授が、「日本語教育における新しい音声指導法『ボイスサンプルプロジェクト』」をテーマに講演。ボイスサンプルを日本語学習の教材として活用する方法を報告した。