2020.03.02 Mon
ONLINETOPICS
社会学科4年次生代表3人が卒業論文発表

同学科は、14のゼミを「文化・システム系」「生活・福祉系」「地域・エリアスタディーズ系」の3分野に分け、各分野から1論文を代表論文に選出する。今年度は、▽沖ひかるさん「日系人のアイデンティティの確立に影響を与えるものとは~ワシントン州シアトルを例に挙げて~」=藤原法子ゼミ▽長坂京平さん「私らしさの作り方―インスタグラムで見る『カギ』をする本当の意味―」=後藤吉彦ゼミ▽河田泰明さん「『貧困バッシング』にみる『構造的排除』の考察」=樋口博美ゼミの3論文が選ばれた。

沖さんは、高祖父が米国シアトルに移住したという自身のルーツから日系アメリカ人を研究テーマに選んだ。
日系アメリカ人のアイデンティティの形成には、アメリカ社会への同化が関連していると指摘し「グローバル化が進む現代社会では、少数派との共生が重要となる。自分とは異なるものを受け入れ、その考え方を取り入れることが、私たちが目指すべき多様性の在り方ではないか」と論じた。
日系アメリカ人のアイデンティティの形成には、アメリカ社会への同化が関連していると指摘し「グローバル化が進む現代社会では、少数派との共生が重要となる。自分とは異なるものを受け入れ、その考え方を取り入れることが、私たちが目指すべき多様性の在り方ではないか」と論じた。
長坂さんは、日本の若者がSNSで、カギをかけて情報公開を制限する心理を考察した。「『いいね!』をもらうという承認欲求よりも、批判で傷つくことを恐れており、それがカギをかける心理につながっている。しかし、誰に公開するかという選別の葛藤が生まれ、これが新たな〝私らしさの作り方〟になっている」と語った。


河田さんは、貧困や生活保護受給者へのバッシングを事例に、バッシングの発生要因と日本社会の持つ、排除のメカニズムの解明に取り組んだ。貧困バッシングでは、まず、「貧困は自己責任である」という論拠によって特定の個人が非難(排斥)される。そして、この個人レベルでの排斥が一般化されていく中で、やがて社会レベルでの「構造的排除」となる――と、結論付けた。
それぞれの発表に対し、大学院生文学研究科修士1年次の渡辺健二さん、田中直登さん、石橋挙さんが講評した。
それぞれの発表に対し、大学院生文学研究科修士1年次の渡辺健二さん、田中直登さん、石橋挙さんが講評した。