2020.03.19 Thu
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けがを乗り越えて J1の主役に 仲川輝人さん

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昨シーズンのサッカーJ1横浜F・マリノス優勝の立役者が、FW仲川輝人選手(平27商・27歳)だ。仲川選手はMVPと得点王にも輝いた。プロに入る直前に負った重傷を乗り越えて、Jリーグの主役に躍り出た仲川選手。これまでの道のり、大学時代の思い出を聞いた。



― 横浜F・マリノスに入って5年目の昨季は最高の年になった。
Jリーグ優勝はチーム一丸となって勝ち取ったタイトル。個人賞をふたつも取れて、うれしさは倍になった。

― プロ入り(2015年)直前の専大時代、全治8カ月の大けがを負った。完治したが、試合に出られるようになるまで3年以上かかった。
けがが治っても、スピードと動きのキレを取り戻せない。戦術練習に入れず、試合にも出られなかった。そんなドン底にいたから、上を見るしかなかった。ピッチの隅で黙々とボールを蹴ってトレーニングに励んだ。2年間J2で武者修行もさせてもらった。それらが実を結び、18年から試合に出られるようになり、試合に出場するほどに成長したと自負している。
昨季の優勝に貢献できたことで、やっと横浜F・マリノスに恩返しができた。私は負けず嫌いで頑固。前向きでポジティブな考え方を大切にしている。

― 161cmと小柄な仲川選手の最大の武器は、スピードと瞬発力を生かした緩急あるドリブルだ。

昨季は、利き足でない左足でのシュートの決定率が高くなった。手応えを感じており、現在も良い状態が続いている。今季開幕戦では、相手チームのマークがかなり強くなったと感じた。それだけ注目される存在になれたのかと思う。今季の目標はJリーグ連覇。個人では昨季の15ゴールを上回る数字を出したい。
昨年末、日本代表にも初選出され、海外での試合で刺激を受けた。学生時代からの夢、ワールドカップ出場を目指して努力を重ねたい。

― 仲川選手がいた11年からの4年間は、専大サッカー部の黄金期。攻撃的で個性あるパスサッカーが花開いた。
関東1部リーグ4連覇を達成したのは宝物の思い出。学生日本一にもなれた。先輩の庄司悦大さん(平24経済、京都サンガFC)をはじめ長澤和輝さん(平26経営、浦和レッズ)らメンバ―一丸となって強いチームづくりに励んだ。
そんな中で自分は1年次から試合に出させてもらった。関東リーグの得点王にもなれたし、ユニバーシアード大会にも出場できた。高校時代、専大にスカウトしてくれた源平貴久監督(現総監督)、日々指導してくれた岩渕弘幹コーチ(当時)には、感謝の気持ちを持っている。

― 専大サッカー部には専用グラウンドがなく平日の練習は早朝のみ。どんなことを心がけたのか。
グラウンドでの練習は、1限の授業が始まる前の1時間半だけ。私は毎朝5時前に起床し川崎市の自宅を出て、7時から練習を始めた。限られた条件の中で、集中力をもって密度の濃い練習を行い、一つ一つの質を高める努力をした。
大学サッカーの結果はいつも気にしている。機会があったら後輩の早朝練習を見に行きたい。
―サッカー以外で専大の思い出は。
今でも思い出すのは、けがの治療中、生田通学路の急坂がきつかったこと。学食の鉄板焼きが好きだった。サッカーに懸けた学生時代だったが、もちろん授業に出て勉強も頑張った。かけがえのない出会いがあり、一緒に机を並べる仲間がいたことは幸せだった。

―後輩にメッセージを。
一つのことに打ち込む中で、常に向上心を持って行動することが大事だ。そういった姿勢は成長につながり、必ず将来に生かされる。
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