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2019.06.21()
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「綿密な実証と研究」「豊かな構想力」…故矢野建一氏の研究振り返る
人文科学研究所 第2回公開講演会

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日本古代の祭祀・宗教史研究の第一人者であった故矢野建一氏(前専修大学長・元文学部教授)の研究業績を振り返る人文科学研究所第2回公開講演会が6月15日、生田キャンパスで開催され、歴史ファン約100人が熱心に耳を傾けた。

矢野氏は専門分野に対する視野が広く、古代地域史・仏教史・民衆史、さらには古代東アジア史にまで領域に入れて取り組んだ。中国で2004年、「日本」国号を刻んだ遣唐留学生・井真成(せい・しんせい)の墓誌を最初に発見したひとりでもあった。矢野氏は16年4月に急逝。昨年11月に、遺稿論文集『日本古代の宗教と社会』(塙書房)がゆかりの人々の手によって刊行され、改めて注目されている。

講演会は冒頭、佐々木重人学長があいさつを行い、講演会の趣旨が説明された。次いで矢野氏と深く関わっていた日本古代史研究家3氏が登壇、矢野氏の研究への姿勢や論文の特徴を語った。

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▲佐々木重人学長

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▲荒木敏夫名誉教授

最初に、専大の同僚として三十数年来交流があった荒木敏夫名誉教授が講演した。日本古代史研究は、戦後、天皇が中心とした歴史観である「皇国史観」から解放され、進展した。矢野氏はその洗礼を受け、大学で日本中世史を学び、大学院で日本古代史を研究した。77年、多度大社(三重県桑名市)の神仏習合についての研究で一躍脚光を浴びた。「彼の研究は綿密な実証に基づいていた。着想が豊かで、古代の祭祀・宗教を社会全体の動きの中でとらえようとした。そこに独自性がある」と指摘した。
次に矢野氏の研究仲間であった西宮秀紀氏(愛知教育大学名誉教授)が律令国家祭祀研究について、続いて矢野氏から指導を受けてきた田中禎昭文学部准教授が古代村落史研究について解説した。

矢野氏の古代祭祀研究について、西宮名誉教授は「内容が実に多彩で豊かであるため、一部の論文や論点だけ触れたのでは真意をとらえきれない」と語った。田中准教授は「豊かな構想力で多面的に論理を展開している。研究の『総論』に至る前に急逝されたことが惜しまれる」と結んだ。

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▲西宮秀紀愛知教育大学名誉教授

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▲田中禎昭文学部准教授

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