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2018.07.03()
専修大学CALL教室・外国語教育研究室TOPICS

外国語のススメ【第85回】留学・旅行のススメ

法学部准教授 加藤雄三(東洋法制史担当)

第85回外国語のススメ

上海国際公共租界工部局
私の専門では、句読点のない漢文(白文)を読めることが必須であり、大学院に行くことを目指すようになってから、文学部の漢文講読に潜り込んで、進学後の研究に備えました。
漢文史料を読めても、そこに記されている人びとの様子が脳裏に描けないのであれば、論文のなかで生き生きとした描写をすることはできません。中国とはどのような場所かを体感するためにも、当然に留学を希望するようになりました。
そこで、現代中国語の会話能力が必要になります。恥ずかしながら、学部時代は単位取得に必要な程度しか勉強しておらず、簡単な会話ができる程度でした。今もそうですが、テレビを所有していなかったので、NHKラジオの中国語講座や大学図書館の視聴覚室で自習をして、それなりになったつもりで、修士課程1年の夏休みに北京を旅したのですが、全ての会話を理解するのは無理でしたし、何よりも現地の生活習慣がわからずに往生しました。その経験がより中国語の自習に私を駆り立てました。
中国語の会話を理解するには、耳に入ってきた音を表意文字である漢字に頭の中でリンクさせて、イメージを作り出せるようにすることが早道となります。私は『新華字典』の漢字とその発音、字義を、「今日はaから始まる字を読む」というように決めて目を通し、頻用する字にはアンダーラインを引くということを何回か繰り返すことで、なんとか対話の相手が話していることを漢字からなる文章として理解できるようになりました。

 
留学の機会がめぐってきたのは、博士課程2年のときです。私の留学先は大学ではなく、ナショナル・アカデミーにあたる中国社会科学院歴史研究所でした。留学先を決めるにあたっては、人脈をたどるという、いかにも中国的な経験をしました。研究所では大学院生であったにもかかわらず、提案した方法での文献講読会などを開いてもらい、研究上の知的・人的財産を築くことができました。研究の合間に中国各地を旅してまわり、見聞を広め、得がたい経験をしたことはいうまでもありません。
国内旅行よりも海外旅行の方が安くあがる場合もあります。おまけに日本のパスポートは最強です。少しでも外の世界に対する興味があるならば、異文化を経験しに行かない手はありません。自分の知的好奇心さえ満たせれば、旅や留学は成功したといえます。皆さんも海外に旅や留学をしてみませんか。

 
センディ

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