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2018.02.15()
専修大学経済学部経済学部での学び

経済学部での学び-アクティブ・ラーニングとしての競技ディベート-

専修大学経済学部 永江雅和

 「高校までの勉強と大学での勉強の違いは何ですか?」と聞かれることがあります。そんな時、私は「アクティブ・ラーニングを重視する点にあるのではないか」と答えるようにしています。

 アクティブ・ラーニングとは、学生の能動的学習を通じて、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識経験を含めた汎用的能力の獲得を目指すものと定義されています。本学のカリキュラムにはゼミナール(演習)という授業形態が存在しますが、この授業では各担当教員が様々な工夫をこらして学生の能動的学習を促すアクティブ・ラーニングが試みられています。例として私の担当するゼミナールで実施している競技ディベートについてご紹介しましょう。

 ディベートとは日本語では「討論」と訳されますが、あるテーマ(たとえば「日本は消費税増税を進めるべきか?」ですとか「日本は外国人労働者の受入れを今以上に積極化させるべきか?」などなど)に関して肯定対否定などの対立する立場に立ち、双方の立場から議論をぶつけ合う学習の形態を指します。競技ディベートとは討論をゲーム形式で採点し、勝敗を決する方式です。私のゼミナールでは複数の大学が参加する競技ディベート大会に10年間以上参加を続けています。

 競技ディベートにおける学習効果は様々ありますが、ここでは①専門的テーマに対する理解の深まり、②チームプレーを通じた社会性の獲得、③問題点発見能力と質疑応答能力の向上、④プレゼンテーション能力の向上とストレス耐性の向上の4点にわけてご説明します。

 まず①ですが、通常の試験やレポートで単位を取得する授業では、内容の60%~70%程度の理解をしておけば単位取得が可能であり、学生はややもすればその水準の理解をもって良しと考えてしまいがちです。しかしディベートでは相手と理解の深さを競う必要がありますから、中途半端な理解では到底ゲームに勝つことはできません。ゲーム形式にすることでテーマに対する理解を深めることが可能になります。

 次に②ですが、競技ディベートは多くの場合チーム戦です。準備段階から議論のプランニング、当日のプレゼンテーションまで複数の学生がチームプレーで協力する必要があります。高度で専門的内容の議論を複数のメンバーで展開することには、個人での学習とは異なる難しさが存在しますが、これは社会に出てからグループワークで仕事をすることの多い、日本の社会人にとって有効なトレーニングになることでしょう。

 ③は準備過程や当日の議論の過程で、自らの立論や相手方の議論の論理や論証の問題点を短時間で発見する知的瞬発力が養われます。問題点発見能力は社会における仕事やビジネスの場で自分たちや取引相手が行っている行為に問題がないかをチェックする能力につながります。さらにそれを質疑応答等の場で相手に伝える、或いは他者からの指摘に対して適切に応対する能力を養うことができます。こうした能力も通常の講義やペーパーテストでは養うことの難しい能力であり、アクティブ・ラーニングの醍醐味と言えます。

 ④は自らが学んだことを相手が理解できるように伝える能力の獲得です。知識は多くの場合、自分がわかっているだけでは役に立ちません。自らの発見を周囲の人間に伝え、理解してもらうことによって初めて形になることが多いものです。対戦相手がいる前で自説をプレゼンテーションする経験は、ストレスのかかる場にあっても、臆せず自説を展開できる舞台度胸を養うトレーニングとなることでしょう。

 以上競技ディベートを中心にお話をして参りましたが、ディベートはあくまでもアクティブ・ラーニングの一つの形態に過ぎません。専修大学では各教員が様々な形でアクティブ・ラーニングの方法を工夫したゼミナールを展開しています。学生の皆さんの個性に合った方法を見つけて頂き、大学での学習をより実りあるものにしてくださることを期待しております。

 

HP掲載用1(永江先生)

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