恵慶集 春之部

 亀甲花菱文金紙に薄茶地龍丸文紗の合せ表紙。見返しは鳥の子色に金箔砂子で雲形文。料紙は五種の刷り文様で、一面九行・歌二行書。春の部四十六首を収載。

 平安時代中期の僧侶で歌人の恵慶(生没年不明)の家集を江戸前期の武士で、茶人、造園家としてもその名が知られ、和歌、陶芸にも秀でていた遠州流の祖とされる小堀遠州(1579-1647)が書写したもの。悠然とした伸びやかさと力強くも整いを見せる書体が特徴となっている。