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ポリクロニコン

 天地創造から14世紀中葉に到るまでの人類の歴史を年代順に叙述した壮大な歴史書。著者ヒグデンはイギリスのベネディクト会修道僧であるが、一国の歴史にとどまらない世界史観は、アウグスティヌスの『神の国』のなかのキリスト教的歴史観がその根底にあるともいわれている。

 人類の歴史を6つの時代に区分し、それぞれの時代のなかで強大な力を誇った帝国の興亡を描き出すことで、その背後にある神の摂理を解き明かし、今に生きる者への道徳的教訓を導き出そうとしている。

 本書には超自然現象の記述を含むものの、14世紀当時の歴史、地理、科学技術などについての知識を備えたヒグデンの世界史上における自国の歴史的意義や位置付けの試みが、当時の知識階層からおおきな共感をよんでいる。その後イギリスから出された歴史書の多くが本書の「継承」を謳う姿勢にも現れるほど、本書の根本の精神は2世紀以上にわたり根強く支持されていく。

 ヒグデンは1364年に亡くなるが、その後をトレヴィサが1387年頃、ラテン語から中英語に翻訳して完成をみた。

 本書の見事な装飾と書体は、この写本が恵まれた環境で製作されたことがうかがえる。1420年頃ロンドンで書写されたと推定され、贅を凝らした質の高い彩色写本である。

 専修大学社会知性開発研究センター(言語・文化研究センター)のページにて、画像が公開されています。こちらからご覧ください。
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