2026.01.28 Wed
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【生物科学科】仙台うみの杜水族館 大谷様(本学卒業生)にご講演いただきました

 令和8年1月14日(水)、理工学部生物科学科の海洋生物・環境基礎演習(2年次後期開講科目)の授業にて、過年度に引き続き、仙台うみの杜水族館 飼育員の大谷 明範 様(本学卒業生)にご講演いただきました。
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大谷 明範 様(本学卒業生)

大谷様は在学中、角田研究室に所属し、万石浦をフィールドとして【小さな生き物たちが何を食べているのか】を研究していました。
現在は、仙台うみの杜水族館の公式YouTubeチャンネルへの出演をはじめ、広報活動にも関わっており、これまでに複数のテレビ番組にも出演されています。
大谷様からはまず、「水族館の役割」についてお話しいただきました。
その役割とは「種の保存」、「教育・環境教育」、「調査・研究」、「レクリエーション」の4つであり、水族館職員を目指す人にとって、理解しておくべき重要な知識の一つであることをご説明いただきました。


次に、マンボウのエサやりや、異常時における生物の飼育管理など、実務的な仕事内容についてご紹介いただきました。
さらに、仙台うみの杜水族館で取り組まれた、飼育が非常に難しいとされるヨシキリザメの飼育方法についてもご説明いただきました。
ヨシキリザメは外洋性のサメで、元気な状態での捕獲・輸送が難しく、障害物を認識できないため衝突に弱く、また飼育例自体がとても少ないことから、飼育が困難な生物とされています。

仙台うみの杜水族館では、どのような水槽であれば長期飼育が可能かを検証したほか、採血による体調管理、給餌方法の改善など、さまざまな工夫を重ねてきました。 その結果、ヨシキリザメの飼育世界記録である873日を達成することができました。

最後にご説明いただいたのが、かつて松島湾に多く生息していたサンゴタツについてです。
サンゴタツは松島湾に古くから生息しているタツノオトシゴの仲間で、かつては松島のおみやげとして、乾燥させたサンゴタツがお守りとして販売されていた時代もありました。
仙台うみの杜水族館では、このサンゴタツに関する研究にも取り組んでおり、東日本大震災の影響によるアマモ場の減少とともに、サンゴタツの個体数が大きく減少している現状について解説いただきました。

また、サンゴタツの繁殖時期の調査をはじめ、生息環境を回復させるためのアマモの再生・保全活動など、さまざまな取り組みも行われています。

講演の最後には、学生から事前に寄せられた多くの質問の中からいくつかを選び、大谷様に丁寧にお答えいただきました。
IMG_0238▲写真や動画を使って分かりやすく説明してくださいました
IMG_0235▲漁の様子の動画を真剣に見つめる学生たち
【受講した学生からのコメント】
理工学部 生物科学科 2年次 青山 隼大さん(山形県立山形南高等学校 出身)  
今回の講演では、めったに聞くことのできない水族館の仕事の裏側について知ることができ、とても勉強になりました。普段は忘れがちですが、水族館は単なる観光施設ではなく、研究機関としての役割も持っていることを改めて学ぶことができました。
お話の中で特に興味深かったのは、ヨシキリザメのストレスを軽減するために、人にも使われる抗不安薬を使用し、その効果が見られたという点です。魚専用の薬はほとんど存在せず、既存の薬を応用しながら研究を進めているというお話はとても新鮮で驚きました。
今あるもので工夫しながら新しいことに挑戦する姿勢はとても魅力的で、これからの学生生活で取り組む研究においても、大きな指針となるお手本を示していただいたように感じました。この度は貴重なお話を聞かせていただき、誠にありがとうございました。

理工学部 生物科学科 2年次 我妻 愛輝さん(宮城県柴田農林高等学校 出身)
水族館の裏側では、餌の準備や生物の健康状態の確認など、普段は見ることのできない多くの作業が行われていることを知り、とても勉強になりました。
餌については、生物それぞれの食性に合わせて量を調整したり、海とは異なる環境でも体調を崩さないよう栄養剤を混ぜたりするなど、さまざまな工夫がされていることに驚きました。また、健康状態を把握するためには、普段と様子に変化がないか、皮膚に異常がないかなどの観察がとても重要であることも学びました。
私は深海生物に興味があり、情報が少なく調べるのが難しいと感じていましたが、「わからなければ食べてみる」というお話が特に印象に残りました。実際に食べることで味や食感など新たな情報が得られるという視点は、とても参考になりました。私も深海生物についてより詳しく知るために、実際に食べて学ぶことにも挑戦してみたいと思いました。

理工学部 生物科学科 2年次 木村 恵太さん(山形県立天童高等学校 出身) 
今回のお話の中で、特にヨシキリザメの長期飼育に挑戦する際の工夫や注意点について強く興味を惹かれました。海から生きたまま元気な状態で運ぶために、人力で呼吸を補助したり、麻酔の量をギリギリ眠らない範囲で調整したりと、搬送だけでもこれまでの知識や経験を生かした数多くの工夫が必要であることに驚きました。
そのほかにも、生き物のわずかな変化を見極める観察力や、給餌方法へのさまざまな工夫など、外からは見えないところで多くの努力が積み重ねられていることに深く感銘を受けました。
私は水族館の飼育員に興味を持っており、飼育員として働くことにも強い関心があったため、実際の現場で働く大谷さんからリアルなお話を聞くことができ、本当に嬉しかったです。
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