2025.03.26 Wed
生物科学科トピックス一覧
【生物科学科】海洋ベントス学研究室の4年生が日本生態学会のポスター賞を受賞しました
理工学部生物科学科の海洋ベントス学研究室(研究指導教員:阿部 博和 准教授)に所属する遠藤 祐人さん(学部4年生)が、第72回日本生態学会大会(札幌大会)においてポスター発表を行い、「行動/Behavior」の分野でポスター賞(優秀賞)を受賞しました。

2025年3月15日から18日の4日間、第72回日本生態学会大会が札幌コンベンションセンターで開催され、オンラインプラットフォームも併用してのハイブリッド形式で行われました。
オンサイトでの参加者は1900人を超え、ポスター発表はオンラインも含め18分野で911題の発表がありました。ポスター賞は過去の生態学会大会でポスター賞を受賞していない博士号未取得の学生会員を対象に審査が行われ、遠藤 祐人さんの発表は「行動/Behavior」分野の審査対象49題から5件のポスター賞(最優秀賞・優秀賞)のうちの1つに選ばれました。
オンサイトでの参加者は1900人を超え、ポスター発表はオンラインも含め18分野で911題の発表がありました。ポスター賞は過去の生態学会大会でポスター賞を受賞していない博士号未取得の学生会員を対象に審査が行われ、遠藤 祐人さんの発表は「行動/Behavior」分野の審査対象49題から5件のポスター賞(最優秀賞・優秀賞)のうちの1つに選ばれました。

発表タイトル 「陸⽣等脚類の⾁⾷性⼟壌動物に対する捕⾷回避⾏動 」
発表者 遠藤祐⼈・⼤⾒川遥・阿部博和
【発表概要】
等脚類にはオカダンゴムシのように球体化する種とワラジムシのように球体化しない種が存在します。この球体化は等脚類の複数のグループで別々に獲得されたことが示されていますが、その進化を駆動した要因はわかっていません。ダンゴムシ類の球体化は一般的に捕⾷回避のためとされていますが、どのような捕⾷者に対してどれほど捕⾷回避に寄与しているのかは実はほとんど検証されていない状況です。また、オカダンゴムシとワラジムシのように球体化する種としない種が同じ場所に⽣息することについても、合理的な説明はなされていません。
本研究では、オカダンゴムシとワラジムシを被食者、⾁⾷性⼟壌動物であるハマベハサミムシを捕食者として被⾷実験を⾏い、両種の捕⾷回避戦略の違いを探りました。その結果、オカダンゴムシではハサミムシから攻撃されやすいにもかかわらず被食率が低く、球体化に成功した場合や捕⾷者が⼩さい場合にみられる不動行動では高い確率で捕食回避に成功することが示されました。また、ワラジムシでは捕⾷者を感知すると逃⾛や不動、後ずさり、転向など多様な回避行動が見られ、ダンゴムシよりもハサミムシから攻撃されにくいこと、オカダンゴムシとワラジムシでは異なる捕⾷回避戦略をもつことが示されました。
発表者 遠藤祐⼈・⼤⾒川遥・阿部博和
【発表概要】
等脚類にはオカダンゴムシのように球体化する種とワラジムシのように球体化しない種が存在します。この球体化は等脚類の複数のグループで別々に獲得されたことが示されていますが、その進化を駆動した要因はわかっていません。ダンゴムシ類の球体化は一般的に捕⾷回避のためとされていますが、どのような捕⾷者に対してどれほど捕⾷回避に寄与しているのかは実はほとんど検証されていない状況です。また、オカダンゴムシとワラジムシのように球体化する種としない種が同じ場所に⽣息することについても、合理的な説明はなされていません。
本研究では、オカダンゴムシとワラジムシを被食者、⾁⾷性⼟壌動物であるハマベハサミムシを捕食者として被⾷実験を⾏い、両種の捕⾷回避戦略の違いを探りました。その結果、オカダンゴムシではハサミムシから攻撃されやすいにもかかわらず被食率が低く、球体化に成功した場合や捕⾷者が⼩さい場合にみられる不動行動では高い確率で捕食回避に成功することが示されました。また、ワラジムシでは捕⾷者を感知すると逃⾛や不動、後ずさり、転向など多様な回避行動が見られ、ダンゴムシよりもハサミムシから攻撃されにくいこと、オカダンゴムシとワラジムシでは異なる捕⾷回避戦略をもつことが示されました。


△第72回日本生態学会大会(札幌大会)でポスター発表を行う遠藤さん
【遠藤 祐人さんのコメント】
この度は、第72回日本生態学会大会のポスター賞優秀賞をいただくことができました。このような賞を頂けたのも、日々丁寧にご指導いただいた阿部先生をはじめとする、海洋ベントス学研究室の皆様、並びに様々な面で支えてくださった家族や友人のおかげです。研究室に配属されてからは、生き物や研究の知識だけでなく、社会に出る人間として大事なことも多く学びました。ここで得た経験をこれからの社会人生活に役立て、日々努力して参ります。
この度は、第72回日本生態学会大会のポスター賞優秀賞をいただくことができました。このような賞を頂けたのも、日々丁寧にご指導いただいた阿部先生をはじめとする、海洋ベントス学研究室の皆様、並びに様々な面で支えてくださった家族や友人のおかげです。研究室に配属されてからは、生き物や研究の知識だけでなく、社会に出る人間として大事なことも多く学びました。ここで得た経験をこれからの社会人生活に役立て、日々努力して参ります。


また遠藤さんは、先日20日に行われた学位授与式にて優秀な成績を収めた学生に授与される川島記念学術賞を獲得しました。