2025.02.04 Tue
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【生物科学科】仙台うみの杜水族館 大谷様(本学卒業生)に講演していただきました

 令和7年1月15日(水)、理工学部生物科学科の海洋生物・環境基礎演習(2年次後期開講科目)の授業にて、昨年度に引き続き、仙台うみの杜水族館の飼育員の大谷 明範 様(本学卒業生)に講演いただきました。
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大谷 明範 様(本学卒業生)

大谷様は在学中、角田研究室に所属し、万石浦をフィールドとして【小さな生き物たちが何を食べているのか】を研究していました。
現在は、仙台うみの杜水族館の公式YouTubeチャンネルに出演するなど、広報活動でも大活躍。
大谷様はまず、水族館への就職を希望する学生に向けて、面接で必ず質問される内容についてアドバイスをいただきました。
どの水族館でも必ず問われるのが「水族館の役割」です。この役割とは、「種の保存」、「教育・環境教育」、「調査・研究」、「レクリエーション」の4つを指し、水族館職員を目指す人にとっては絶対に間違えてはいけない問いであることを説明していただきました。
ほかにも、水族館ごとの特長や方針、企業理念は必ずホームページを確認し、志望理由とあわせて話せるようにとお話いただきました。

次に、マンボウのエサやりや異常時における生物の飼育管理など、実務的な仕事内容についてです。
その中でも印象に残ったのが、飼育している生き物が弱っているときの対応方法です。生き物が弱った際に必ず確認しなくてはいけないのが、病気にかかっているのか、環境による要因なのかを調査することです。薬を投与することは生き物たちにとって毒となるため、まず環境による要因でないかを確認することが大切だと教えていただきました。

さらに、仙台うみの杜水族館で取り組んだヨシキリザメの飼育方法についてもご説明いただきました。
飼育以前にヨシキリザメを元気な状態で水族館に連れて帰ることが難しいため、仙台うみの杜水族館に移動するまで麻酔をかけ、半分睡眠した状態で運びます。ただし、麻酔が効きすぎると呼吸が難しくなるため、ポンプを繋ぎ、手を入れて動かすことでヨシキリザメが泳いでいる状態と錯覚させます。この作業を慎重に行うことで、初めてヨシキリザメを水族館まで運ぶことができます。

さいごに質疑応答の時間があり、4名の学生が大谷様に質問し、その問いに答えていただきました。学生からは、「捕獲したばかりのマンボウはどれくらいで餌を食べ始めるのか」や「飼育していた生き物たちが亡くなってしまったときにどのような対応をするのか」などの質問が上がりました。
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【受講した学生からのコメント】
理工学部 生物科学科 2年次 渡邊 優奈さん(宮城県多賀城高等学校 出身)
普段はあまり聞く機会がない飼育員の仕事について詳しくお話を聞ける貴重な時間でした。感情が見えにくい生き物と接することの楽しさや難しさ、やりがいを知ることができました。生き物を展示するには、日頃の細かな観察や水質検査、採取から展示までの試行錯誤など、根気強く生き物と関わっていく必要があると学ぶことができました。海は身近な存在ですが、その大部分は普段目に見えないためどこか遠い存在のようにも感じます。普段は見ることができない様子覗くことができる水族館は、人と海をつなぐ重要な存在であり、展示や研究を通して地元の魅力や環境問題など、多くの世代に情報発信できる施設だと感じました。水族館は学びの場であり、生きた博物館であると改めて知ることができました。 

理工学部 生物科学科 2年次 遠藤 万優さん(宮城県石巻北高等学校 出身)
さまざまな海洋生物を展示・飼育をしている仙台うみの杜水族館ですが、今回の講演会では水族館の裏側について知ることができました。なかでも体調管理について、生き物たちが食事をとる際、飼育員さんたちが同時進行で観察し、些細な変化にも気づけるよう心掛けていることを学びました。
私が今回の講演の中で特に興味を持ったのが、マンボウの飼育についてです。飼育がとても難しそうな生き物というイメージだったのですが、餌を与えるために手を見せてあげるとゆっくり寄ってくる行動を見て、とても愛らしく癒されました。水族館では主に種の保存や調査、教育、レクレーションが役割と、それぞれの分野で力を発揮しお客さんを楽しませてくれる仙台うみの杜水族館が、もっと広く広まってほしいと感じました。貴重なお時間とお話をありがとうございました。
大谷様_海の杜水族館③
大谷様_海の杜水族館⑥
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