2024.02.01 Thu
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【経営学科】卒業生 佐藤ゆりかさんが庄子ゼミ生に、震災当時から現在までの想いを伝えました


1月23日(火)、卒業生 佐藤ゆりかさんが庄子ゼミ生に震災時の経験談を共有しました

本学の卒業生 佐藤ゆりかさん(人間文化学科 平成30年度卒)が、東日本大震災から現在にかけて経験したこと、感じたことについて庄子ゼミの学生の前でお話しました。

経営学部経営学科 庄子ゼミナールが毎年開催する竹こもれびナイトに向け、震災当時の出来事について知るため、庄子ゼミナールに所属し卒業した佐藤さんにお話していただきました。佐藤さんは、震災当時から大学までのお話と、被災された方々が現在どのような思いを持っているのかについての2点を軸とし、話を進めていきました。

佐藤さんは、「いまから話す内容は私の被災話であり、あくまで私個人が感じたこと、思ったことです。被災された方々の経験や思いを代表するものではありませんのでご注意ください」と言い、一被災者の経験であることを冒頭に伝え、震災時の経験を語り始めました。
記事▲【卒業生】 佐藤ゆりかさん
~~~~~以下が佐藤さんの震災時の話になります~~~~~
私は震災当時中学2年生で、自宅に1人でいたところ大きな揺れに襲われました。その後、知り合いの方と共に市内の中学校まで避難しましたが、避難先まで津波が押し寄せてくる様子を見て、海岸付近にアルバイトへ行った兄の無事を祈りました。後日、兄と再会することができましたが、家族が生きていても喜んではいけないような雰囲気があり、自分の家族が無事であったことを、素直に喜ぶことができませんでした。

避難した中学校には4日間、取り残された状態となりました。海水が引いていない中での生活は、想像以上に大変なことばかりでした。大人がパニック状態になっている中、私は友達と協力し、避難されてきた方が生活に困らぬよう、自分たちができる行動は積極的に取り組みました。例えば、糖尿病を患っている方のために飴を持っている人がいないか呼び掛けたこと、救助ヘリに気付いてもらうため屋上に学校机を持ち寄り、SOSの文字を作ったことなど、避難所には多くの課題があり、できることを一つずつ取り組みました。
助け合わなくてはいけないと感じたのは、中学校の先生方が避難してきた方々に一生懸命対応していたからです。先生方は、自身のご自宅の状況や家族の安否が分からないにも関わらず、トイレの水くみや物資の分配、大人同士の喧嘩の仲介など、多岐にわたります。そのような先生方の姿に、私たちは突き動かされました。当時の先生方には、今でも本当に感謝しきれません。

別の避難先に移ってからの生活もまた、辛い日々でした。避難先からの通学、住んでいた土地に戻ることができない想い、被害が少なかった地域で暮らす子とのギャップなど、さまざまな想いが混じり、なぜ自分が生きているのかと悩むときもありました。
その中で、ボランティアに来てくださった人や地域の方々の笑う姿が増えていったことをきっかけに、また想いも変化していきました。東日本大震災で被災された方々が本当の意味での「復興」を遂げるには何が必要であるのかを考えるために、石巻専修大学に入学し、様々な先生方に話を聞いていく中で「まちづくり」をテーマにしている庄子先生のゼミナールに所属し、活動に取り組みました。
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佐藤さんが東日本大震災を経て現在課題として感じているのは、被災した経験を話す場がないことです。当時は震災の経験を話したくないと思う人、話してはいけない空気感でしたが、月日が経過したことにより、震災の経験を誰かに話すことで辛い気持ちを和らげられるようになったという感情の変化があります。
しかし13年経過したことにより、震災に関して話す場が減少しつつあります。佐藤さんはそういった話したくても話せる場を作りたいと考えております。

そこで今年の竹こもれびナイトでは、「東日本大震災で被災を受けた方々が震災の経験を話せる場」を作れるような企画をゼミ生が考えていきます。竹こもれびナイトは、3月9日(土)に実施する予定です。イベントに関する詳細が決まりましたら、随時更新してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
記事2
▲詩を佐藤さんが書き、字を当時ボランティアに来ていた書道家の方に
【学生のコメント】
大野 拓空さん(人間学部人間文化学科3年・宮城県村田高等学校)

佐藤さんは震災が発生した当時中学生だったということで、被災をした直後の経験や、そこから自分の生活がどう変化していったかなどを詳しくお話して下さいました。また、その経験を踏まえての竹こもれびナイトへの込める思いや、竹こもれびナイトを通して来ていただいた方に何をどう伝えたいかをお聞きすることで、改めて竹こもれびナイトを開催する意味について考える機会になりました。当時の声・ 記憶を、竹こもれびナイトを通して来ていただいた方に伝えることで風化させることなく伝承していければなと思います。
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