2023.07.14 Fri
生物科学科トピックス一覧

【生物科学科】海洋ベントス学研究室のフィールド調査を紹介

理工学部生物科学科阿部博和准教授の海洋ベントス学研究室では、宮城県内を中心に海岸でフィールド調査を行っています
今年度に行われた調査の様子をご紹介します。
ベントス(底生生物)とは、エビ類やカニ類,貝類など,水底に生息する生物のことです。

■4月・石巻市渡波海岸にて、どのような生物が生息しているか、1年次生の野外生物実習の前に事前調査を行いました。
1渡波海岸での調査の様子
5 ヒモムシ類
6ユビナガホンヤドカリ
■4月と6月に金華山で卒業研究の調査を行いました。

4年次の川村朋也さんは、卒業研究で金華山島の潮間帯に生息する付着生物(海藻類を含む)の調査を行っています。

この調査と並行して、4年次の大山雄太郎さんはニホンザルの海産物利用の実態を調査するための調査を行っています。また,金華山のベントス相を把握するため,調査時にみつけた種を記録しています。
8ベルトトランセクト法を用いて潮間帯に生息する付着生物(海藻類を含む)の被度を調べる川村さん
37海藻の種類を調べるためにサンプルを採集しています
38モクズガニを捕まえました
39大山さんはニホンザルの海産物利用の実態を調査するために設置したセンサーカメラのメンテナンスを行っています

11エゾヒトデ
14マンジュウボヤ類
16サルアワビ
■気仙沼市舞根湾&九九鳴き浜で行われた宮城県希少野生動植物調査会の干潟調査に参加(5月19日)
宮城県希少野生動植物調査会は、震災後の野生動植物の生息・生育状況等を把握し、宮城県の野生生物保護に関する基礎資料の作成や、宮城県レッドリスト・レッドデータブックの次期改訂のための情報を蓄積するための調査を行っています。宮城県希少野生動植物調査会の「海岸地域の無脊椎動物類分科会」では、宮城県各地の潮間帯でベントス調査を行っており、海洋ベントス学研究室も調査に協力しています。
18泥に足をとられて動けなくなっている学生
194年次の大見川 遥さんは、卒業研究のテーマとしている等脚類の生息状況を把握しようと様々な環境を調べています
カニ類を卒業研究のテーマとしている4年次の小田晴翔さんは、カニ類の巣穴をみつけてその巣穴の住人を突き止めようとしています。
20カニ類の巣穴をのぞく小田さん
■南三陸高校の松原干潟調査に参加(5月20日)
南三陸高校では自然科学部が南三陸町 松原干潟で毎年干潟調査を行っています。今年は高校生の調査人数が例年よりも少なかったため,海洋ベントス学研究室の4年次生がサポートメンバーとして調査に参加しました。
28松原干潟で見つけたベントス(ヒカリウミウシ)
26南三陸ネイチャーセンターにて採集した生物の同定作業を行い見つけた生物を記録していきます
■松島湾の扇浜と櫃ヶ浦の干潟調査(5月21日)
32小林真緒さんは卒業研究で使用するイトゴカイ科多毛類のサンプルを採集しています
35採取したイソガニ
40


海洋ベントス学研究室では今後も宮城県や東北地方の沿岸域を中心にベントス調査を実施していきます


海洋ベントス学研究室の日々の活動の様子はこちらをご覧ください。