2023.04.24 Mon
人間文化学科トピックス一覧

【人間文化学科】異文化理解をめざして~石巻モスク訪問

 令和5年4月15日、本年より人間文化学科に着任した西川慧准教授の案内で、人間文化学科3年生8人が石巻市内に昨年7月に完成した「石巻モスク」を訪問しました。

hc1▲石巻モスクの全景
 文化人類学を専攻する西川准教授はインドネシアのイスラーム社会を主な研究分野としており、インドネシア出身の技能実習生が多く集う「石巻モスク」とは赴任前から関係を築いてきました。ちょうどこの時期はイスラームの断食月(ラマダーン)にあたり、この夕刻に日の出から日没まで続いた断食明けの食事会がモスクで開かれるということで、ムスリムの皆さんのご好意に甘えお邪魔させてもらうことになりました。

hc2▲コーランについて解説していただきました
hc3▲輪になってお話を伺っているところ
 学生にとって初めてのイスラーム文化。メッカに向かって建物の中に斜めに配置された祭壇、一日の断食が明けるとまず水を飲み、続いて総勢50人からの荘厳な祈り、お祈りの後に甘いものを胃の中に入れてから食事に移るという一連の作法など、何もかもが新鮮な光景でした。
 また、日本で経験を積んで「特定技能外国人」として漁業などに従事する皆さんから話を聞かせてもらうこともでき、日常生活ではなかなか学ぶ機会のない「異文化」に浸ることのできた貴重な経験でした。
hc5▲記念撮影も
hc4▲儀式の前にいただく軽食
<参加した学生の感想>
 
工藤太一さん(人間文化学科3年)
 これまでキリスト教と仏教には触れる機会がありましたが、イスラム教の人々の文化を間近で見るのは初めての体験でした。今回の訪問で、教会や寺、神社などの日本に根ざす既知文化とは違ったものを見ることができました。中でも、イスラム教の儀礼の際に詠唱されたコーランは、心に響きました。イスラム教の五回の礼拝は、頭に血液を巡らせる健康的側面があったことを知り驚きました。今後、自分の知らない領域に足を踏み入れる機会があったら、また前向きに参加したいと思います。
 
■三浦孝秀さん(人間文化学科3年)
 実際にモスクを訪問し、真っ白な壁に青色のカーペットが全体に敷いてある小さな建物に入った際には、寺院と定義されているモスクから想像していたものとは少し異なった印象を受けました。しかし次第に部屋いっぱいに男性、女性、子供たちまでもが集い、色とりどりの鮮やかなじゅうたんを敷く様子や、強い抑揚、強弱のはいったコーランに合わせおじぎをする統一されたさまには一体感を感じました。
 ほどよい辛味がやみつきになるインドネシア料理を食べながら談笑し、握手を交わす姿をみて、交流の場としても機能している石巻モスクの魅力を知ることが出来ました。