2023.03.01 Wed
生物科学科トピックス一覧

【生物科学科】海洋生物コース・卒業研究発表会を開催

令和5年2月6日(月)、5号館で理工学部生物科学科・海洋生物コースの卒業研究発表会が開催されました。
当日は、海洋生物コースの4年次24名が発表を行いました。
それぞれの発表後には質疑応答が行われ、発表者は、学生や教員からの鋭い質問にも丁寧に答えていました。

この様子は、生物科学科ブログでも紹介されています!

発表を行った学生が所属する研究室および卒業研究テーマは下表のとおりです。
※研究テーマは発表を行った順で掲載しています。

所属研究室研究テーマ
角田研究室  食用菊花弁の熱水抽出液は抗酸化活性を示す!
阿部研究室  コメツキガニの集団遺伝学的研究:北海道・青森集団の起源
角田研究室  マダイ稚魚を用いた輪くぐり実験 -輪の色や形の違い、個体による覚えの良し悪し-
角田研究室  梅酢には魚類の生体防御活性を高める物質が含まれている!?
角田研究室  魚のスレを科学する -苦い経験は釣り針回避行動につながる-
太田研究室  アルテミア 休眠卵の孵化に及ぼす餌料植物プランクトンの影響
阿部研究室  宮城県と福島県の干潟に生息するイトゴカイ科多毛類のDNA解析
阿部研究室  クロベンケイガニは痛みを感じるのか:熱ショックによる速やかな学習の検討
佐々木研究室  石巻専修大学遊水池付近におけるコエビ下目数種の出現状況
角田研究室  異なる背景色における ヒラメ若魚の餌色選択性
佐々木研究室  飼育環境下のハンドウイルカが発する鳴音の解析
佐々木研究室  ペンギン4種の鳴音の解析
阿部研究室  3産地の市販アサリにおけるマイクロプラスチック含有量
佐々木研究室  音刺激に反応する淡水魚の行動の変化
佐々木研究室  海洋中層魚の耳石を用いた年齢推定の試み
太田研究室  スギ花粉を摂食する動物プランクトンについて
太田研究室  ミズクラゲポリプの遊離刺胞細胞に関する研究
阿部研究室  干潟に生息するベントスのセルラーゼ活性
太田研究室  追波湾におけるマイクロプラスチックの鉛直分布について
太田研究室  ミズクラゲポリプの変態誘導と温度の関係
渡辺研究室  SIRSモデルを用いた新型コロナエンデミック期の解析
太田研究室  アルテミア ノープリウス幼生はいつから餌を食べられるようになるか
佐々木研究室   遺伝的アルゴリズムを用いた生物適応のモデル解析の試み
角田研究室  バニラの味や香りはギンザケの摂餌行動を刺激するか?
<卒業研究発表者の感想>
■ 古畑 啓介さん(生物科学科4年次・佐々木研究室)
BI古畑さん①△発表する古畑さん
BI古畑さん➁△スジエビの識別について説明
①卒業研究のテーマ・研究内容
テーマ「石巻専修大学遊水池付近におけるコエビ下目数種の出現状況」
本学の三角池と、近くを流れる旧北上川にどんな種類の淡水エビが生息しているか、それらは在来種か、外来種かを識別して調べました。
 
➁そのテーマを選んだ理由
旧北上川周辺では在来種のスジエビ及び外来種のチュウゴクスジエビとカワリヌマエビ属が確認されていますが、その他の淡水エビは在来・外来種問わずほとんど報告例はありません。三角池において外来淡水エビのチュウゴクスジエビの生息が確認されていることから他の外来種の進出がどの程度であるかに興味がありました。比較のために、近くの旧北上川も対象域として本テーマを選びました。
 
➂卒業研究で苦労した点
一番苦労したのはエビの識別です。淡水エビは在来種であっても識別方法が確立されていない種が多かったためです。
 
④卒業後の目標
大学卒業後はさらに知識を深めるために、広島大学大学院に進学します。大学院卒業後は環境コンサルタントとして働き、学生時代に培った水生生物に関する知識を活かして水生生物の保護や水環境の保全に携わりたいと考えています。


■ 栗田 奈緒さん(生物科学科4年次・太田研究室)
BI栗田さん①△発表する栗田さん
BI栗田さん➁△実験方法についてまとめたスライド
①卒業研究のテーマ・研究内容
テーマ「石巻市追波湾沿岸域における海洋マイクロプラスチック量の鉛直分布について」
海洋中にある、直径5mm以下のプラスチック=マイクロプラスチックが海中のどの層にどのくらい存在するのかを個数と体積から調べ鉛直分布を作成しました。


➁そのテーマを選んだ理由
「プランクトン学」の授業で海洋プラスチック問題について学ぶ機会があり、どうしてもこの問題を解決したいと思ったのがきっかけです。
太田研究室で過去にマイクロプラスチックを題材とした卒業研究が行われたことを知り、太田教授にご指導をお願いし、研究させていただきました。

➂卒業研究で苦労した点
まずは海洋プラスチックの研究のどこに焦点を置くかに苦労しました。ほとんどが未開拓であるが故に、研究内容は無限に考えられます。その中で自分が何をしたいのか、かつこの短期間で何ができるのかを考えることが大変でした。方法や結果の出し方なども自分なりに試行錯誤したため、本当にこの方法でいいのか、今後の研究に活かすにはどのように結果をまとめたら良いのか等を考えながら研究を進めていました。これは苦労した点でもありますが、研究の楽しいところでもありました。

④卒業後の目標
環境を良くしたいと思う人を少しでも多く増やすために、環境に対して自分にできること、社会全体ですべきことを伝えていきたいです。
就職先は、プラスチック容器・包装の製造会社です。大学で学んだ研究のスキルを社会人でも生かして、プラスチックの新たなあり方を構築していけたらと思っています。


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