2022.03.25 Fri
生物科学科トピックス一覧
【生物科学科・植物コース】多彩な研究成果を発表・卒業研究発表会
2月7日(月)、5号館で理工学部生物科学科、植物コースの卒業研究発表会が開催されました。

当日は、植物コースの4年次11名が発表し、質疑応答が行われました。
この様子は、生物科学科のブログでも紹介されています。
【発表タイトル】
・根本研究室 マイクロサテライトマーカーによる在来および外来コマツナギの識別
・根本研究室 石巻専修大学周辺におけるマメ科の花に生息するアザミウマ相
・根本研究室 マメ科ミヤコグサの果皮厚壁組織にみられる2層構造の発達過程
・中川研究室 シロイヌナズナの茎伸長におけるフィトクロムの働き
・中川研究室 シロイヌナズナemc1変異による草丈制御の解析
・中川研究室 シロイヌナズナのcop1変異とer変異による草丈への影響
・宮嵜研究室 二ホンアナグマの糞生菌について
・宮嵜研究室 菌類の基質分解能を用いたマボヤ殻の分解
・宮嵜研究室 ヒゲカビcol変異株の胞子観察と株間の接ぎ木による遺伝子型の決定
・依田研究室 斜面のスギの年輪解析
・依田研究室 外形から見たスギの成長解析
この様子は、生物科学科のブログでも紹介されています。
【発表タイトル】
・根本研究室 マイクロサテライトマーカーによる在来および外来コマツナギの識別
・根本研究室 石巻専修大学周辺におけるマメ科の花に生息するアザミウマ相
・根本研究室 マメ科ミヤコグサの果皮厚壁組織にみられる2層構造の発達過程
・中川研究室 シロイヌナズナの茎伸長におけるフィトクロムの働き
・中川研究室 シロイヌナズナemc1変異による草丈制御の解析
・中川研究室 シロイヌナズナのcop1変異とer変異による草丈への影響
・宮嵜研究室 二ホンアナグマの糞生菌について
・宮嵜研究室 菌類の基質分解能を用いたマボヤ殻の分解
・宮嵜研究室 ヒゲカビcol変異株の胞子観察と株間の接ぎ木による遺伝子型の決定
・依田研究室 斜面のスギの年輪解析
・依田研究室 外形から見たスギの成長解析
【発表した学生へインタビュー】
■工藤 拓登さん(理工学部生物科学科4年次・青森県弘前南高校出身)
■工藤 拓登さん(理工学部生物科学科4年次・青森県弘前南高校出身)

①卒業研究のテーマ・研究内容を教えてください。
卒業研究のテーマ:シロイヌナズナ花茎の伸長におけるフィトクロムの働き
植物が光を認識して環境に適した姿をつくることを光形態形成といいます。このとき利用する光受容体の一つとして赤色光受容体フィトクロムがあります。私が実験材料としているシロイヌナズナは、世界中で植物の謎を調べるための実験材料(モデル植物)として用いられています。シロイヌナズナではフィトクロムはA〜Eの5種類があり、主に使われるのはAとBの2つです。シロイヌナズナの茎伸長におけるフィトクロムの働きについての研究は古くから行なわれてきましたが、発芽してすぐの芽生えを実験材料とするのが主流でした。しかし、芽生えの茎である胚軸の伸長では細胞の伸長しか行われないのに対して、生殖生長期に生じる花茎では細胞の伸長と増殖の両方が行われるという大きな違いがあります。そこで私は卒業研究で、シロイヌナズナの花茎が伸長するときフィトクロムAとBがどのように働いているか調べました。
②なぜそのテーマを選びましたか?
所属研究室の先輩が行なっていた過去の卒業研究において、シロイヌナズナを白、赤、青それぞれの光環境下で育てると草丈に違いが現れるか、という実験がありました。私はこの実験を知った時、フィトクロムは茎の伸長にどのように働いているのだろうか、と疑問に思いました。そこで、自分の卒業研究ではシロイヌナズナの花茎の伸長に注目し、フィトクロムが茎の長さにどのように働いているか調べることにしました。
③卒業研究で判明したこと、理解が深まったことを教えてください。
【研究結果と考察】
白色光下ではフィトクロムBが欠損すると草丈が高くなり、フィトクロムBは花茎の伸長抑制に働くことがわかりました。一方、赤色光下ではフィトクロムの欠損体と野生型の草丈に違いは見られなかったことから、赤色光下ではフィトクロムは花茎の伸長に働かないことがわかりました。
【卒業研究を終えて】
一見解明され尽くされたかのように見えるものも、視点を変えるとまだ証明されていないものが多く存在するのだと実感しました。
④卒業研究で苦労した点を教えてください。
何ヶ月もかけて計測、収集してきたデータからうまく結果を出すことができず悔しい思いをしました。また、複雑な研究結果だったために考察に非常に苦労しました。
⑤大学生活4年間で成長を実感していることを教えてください。
普段の大学生活やアルバイトの経験から、物事を広く見据えることができるようになったと感じています。
⑥卒業後の目標を教えてください。
私は石巻専修大学の大学院に進学します。そこで今までより高度な実験を行ったり、より論理的な思考力を身に付け、将来は企業などで研究を行っていきたいと考えています。
卒業研究のテーマ:シロイヌナズナ花茎の伸長におけるフィトクロムの働き
植物が光を認識して環境に適した姿をつくることを光形態形成といいます。このとき利用する光受容体の一つとして赤色光受容体フィトクロムがあります。私が実験材料としているシロイヌナズナは、世界中で植物の謎を調べるための実験材料(モデル植物)として用いられています。シロイヌナズナではフィトクロムはA〜Eの5種類があり、主に使われるのはAとBの2つです。シロイヌナズナの茎伸長におけるフィトクロムの働きについての研究は古くから行なわれてきましたが、発芽してすぐの芽生えを実験材料とするのが主流でした。しかし、芽生えの茎である胚軸の伸長では細胞の伸長しか行われないのに対して、生殖生長期に生じる花茎では細胞の伸長と増殖の両方が行われるという大きな違いがあります。そこで私は卒業研究で、シロイヌナズナの花茎が伸長するときフィトクロムAとBがどのように働いているか調べました。
②なぜそのテーマを選びましたか?
所属研究室の先輩が行なっていた過去の卒業研究において、シロイヌナズナを白、赤、青それぞれの光環境下で育てると草丈に違いが現れるか、という実験がありました。私はこの実験を知った時、フィトクロムは茎の伸長にどのように働いているのだろうか、と疑問に思いました。そこで、自分の卒業研究ではシロイヌナズナの花茎の伸長に注目し、フィトクロムが茎の長さにどのように働いているか調べることにしました。
③卒業研究で判明したこと、理解が深まったことを教えてください。
【研究結果と考察】
白色光下ではフィトクロムBが欠損すると草丈が高くなり、フィトクロムBは花茎の伸長抑制に働くことがわかりました。一方、赤色光下ではフィトクロムの欠損体と野生型の草丈に違いは見られなかったことから、赤色光下ではフィトクロムは花茎の伸長に働かないことがわかりました。
【卒業研究を終えて】
一見解明され尽くされたかのように見えるものも、視点を変えるとまだ証明されていないものが多く存在するのだと実感しました。
④卒業研究で苦労した点を教えてください。
何ヶ月もかけて計測、収集してきたデータからうまく結果を出すことができず悔しい思いをしました。また、複雑な研究結果だったために考察に非常に苦労しました。
⑤大学生活4年間で成長を実感していることを教えてください。
普段の大学生活やアルバイトの経験から、物事を広く見据えることができるようになったと感じています。
⑥卒業後の目標を教えてください。
私は石巻専修大学の大学院に進学します。そこで今までより高度な実験を行ったり、より論理的な思考力を身に付け、将来は企業などで研究を行っていきたいと考えています。
【発表した学生へインタビュー】
■菅井 樹さん(理工学部生物科学科4年次・宮城県常盤木学園高校出身)
■菅井 樹さん(理工学部生物科学科4年次・宮城県常盤木学園高校出身)

①卒業研究のテーマ・研究内容を教えてください。
卒業研究のテーマ:二ホンアナグマの糞生菌について
大学の演習林であるトヤケ森山に生息するニホンアナグマの糞から、どのような糞生菌が出現するのか研究しました。
②なぜそのテーマを選びましたか?
2年次の授業でキノコを含む菌類に興味をもちました。実験室にこもるだけではなく、フィールド調査を交えた研究がしたかったため、このテーマを選びました。
③卒業研究で判明したこと、理解が深まったことを教えてください。
はじめに、季節問わず出現する糞生菌が出現したので、同類と見られる6種の糞生菌の胞子を150個ずつ計測し比較を行いました。さらに、今回使用した培地上で生育することができても、胞子を形成しない糞生菌が出現しました。そして、雑食性のニホンアナグマの糞からもキノコが出現することを発見しました。目的としていたキノコが出現したためとても嬉しかったです。このキノコはキノコ幼菌が出現 してから、1日で傘を形成し柄も著しく伸長したためヒトヨタケ属の可能性が高いと考えています。
④卒業研究で苦労した点を教えてください。
長期的な観察を行ったため、計画を立てることに苦労しました。計画を立てても、思い通りいかないことが多かったです。
⑤大学生活4年間で成長を実感していることを教えてください。
人前に立ち、プレゼンする力が身につきました。教職課程も履修していたため、通常の授業以上に発表が多かったです。元々発表は苦手でしたが、今では程よい緊張感で挑むことができるようになりました。
⑥卒業後の目標を教えてください。
大学生活やアルバイトで身につけてきたものを糧に、人生を謳歌したいです。
卒業研究のテーマ:二ホンアナグマの糞生菌について
大学の演習林であるトヤケ森山に生息するニホンアナグマの糞から、どのような糞生菌が出現するのか研究しました。
②なぜそのテーマを選びましたか?
2年次の授業でキノコを含む菌類に興味をもちました。実験室にこもるだけではなく、フィールド調査を交えた研究がしたかったため、このテーマを選びました。
③卒業研究で判明したこと、理解が深まったことを教えてください。
はじめに、季節問わず出現する糞生菌が出現したので、同類と見られる6種の糞生菌の胞子を150個ずつ計測し比較を行いました。さらに、今回使用した培地上で生育することができても、胞子を形成しない糞生菌が出現しました。そして、雑食性のニホンアナグマの糞からもキノコが出現することを発見しました。目的としていたキノコが出現したためとても嬉しかったです。このキノコはキノコ幼菌が出現 してから、1日で傘を形成し柄も著しく伸長したためヒトヨタケ属の可能性が高いと考えています。
④卒業研究で苦労した点を教えてください。
長期的な観察を行ったため、計画を立てることに苦労しました。計画を立てても、思い通りいかないことが多かったです。
⑤大学生活4年間で成長を実感していることを教えてください。
人前に立ち、プレゼンする力が身につきました。教職課程も履修していたため、通常の授業以上に発表が多かったです。元々発表は苦手でしたが、今では程よい緊張感で挑むことができるようになりました。
⑥卒業後の目標を教えてください。
大学生活やアルバイトで身につけてきたものを糧に、人生を謳歌したいです。