2021.08.27 Fri
人間文化学科トピックス一覧

【人間文化学科】卒論の中間報告会を実施

8月6日(金)、4号館で人間文化学科の卒論中間報告会が行われました。
HC卒論中間発表1▲報告を真剣に聞いています
HC卒論中間発表2▲質疑応答も活発に行われました
 この日、人間文化学科4年次生が卒業論文・研究中間報告会を行いました。「ことばと芸術文化分野」、「生活と地域文化分野」に分かれ、学生が各分野にわたるバラエティー豊かな発表を実施。教員だけでなく学生からも多くの質問、意見が出され、活発な議論が行われた、大変有意義な報告会となりました。後期の最終報告会が今から楽しみです。
中間発表を行った学生にインタビューしました。
今田悠斗さん(人間学部人間文化学科4年次・山形県天童高校出身)
・卒論のこれまでの取り組みを振り返って(心がけたこと、大変だったこと、反省点など)
私は英語教師を目指して勉学に励んできました。その中で、生徒が楽しみながら学ぶことができる授業にするために必要なものは何かと疑問に思ったことが研究背景です。そこで目をつけたのが「CLIL」という他教科と連携した学びです。教育実習先に協力をしていただき、CLILを踏まえた授業やアンケートを実施することができました。大変だったことは、卒論のテーマを具体的なものにすること。調べたい事柄が幅広くあるなかで、その範囲を絞っていくことに苦労しました。先行研究にはたくさん目を通してきましたが、アンケート調査の仕方をもう少し勉強すべきだったと反省しています。
・卒論の中間発表を踏まえ、これからどのように取り組んでいきたいか
他学生や先生方にいただいた「客観的」な意見を基に自分のこれまでの取り組みを振り返り、中間発表では扱っていないもう1つの事柄に関する調査を中心に取り組んでいきます。
・報告を聞いていた後輩たちに伝えたいこと
4年次から本格的に取り組む卒論の活動をスムーズに行うために、興味のあることや気になることをメモ書き程度にまとめておくことを推奨します。
・今後の抱負
これまでの学びを生かしつつ今後の生活に反映できる卒論に仕上げていきたいです。
HC卒論中間発表3▲質疑に対して答えている今田さん
渡部晃士さん(人間学部人間文化学科4年次・茨城県第一学院高校出身)
・卒論のこれまでの取り組みを振り返って(心がけたこと、大変だったこと、反省点など)
私が取り組もうとしている「雑然とした環境が知的生産性にもたらす影響」というテーマは、コロナ禍の自粛生活がきっかけになっています。淡々と自室の机に向かって講義や就職活動を行う中で生産性を少しでも上げる方法はないかと悩み、気晴らしに「万引き家族」という映画を観ていた際に貧困家庭の環境が雑然としていたことから考えが結びつき、知的生産性と雑然とした環境に関係性があると仮説を立て、卒論のテーマにしました。難航した点は知的生産性の測定がまだ発展途上な部分です。単純な情報処理能力を測ることは既存の心理検査を使うことができますが、創造性といった非定型的な能力を測定することが難しいことから広い範囲の知的活動をどう評価するかが今後の課題です。
・卒論の中間発表を踏まえ、これからどのように取り組んでいきたいか
大まかな方向性は示せましたが、実験をする際の詳細な手順や、環境構築、測定方法などは形になっていないので夏期休暇中に進めたいと思います。
・報告を聞いていた後輩たちに伝えたいこと
卒論はこれまでの学習内容を総動員している感覚があるので、今受けている講義が後に生きてくると思います。
・今後の抱負
4年間の集大成としてこれまでの学生生活を表出しているような卒論が書けるように残りの時間を大切に使っていきたいです。
HC卒論中間発表4▲発表を行う渡部さん

4年次生が取り組む卒論のテーマ一覧
【ことばと芸術文化分野】
・文化と歴史深きイタリア―ジャンル別人気度ランキングで読み解くイタリアの魅力
・『アクロイド殺し』におけるポアロとシェパード―二人の関係性の変化を中心に―(仮題)
・中国語における日本関連の新語・流行語から見る日中関係
・境界で生きる子ども・若者の選択肢―中国・朝鮮族―(仮題)
・中国の英語教育の現状から教育格差を考える(仮題)
・ネイティブアメリカン―ラコタ・スー族の精神―
・教科横断的な英語教育~小中学校におけるCLIL授業の提案~
・現代まで持続し続けているアーミッシュの生活について
・MLBの人種別スタッキングとその背景
・現代の「奴隷制」としての大量収監システム―1980年代アメリカの麻薬取締り政策を中心に
・マーベル・コミックスにおけるヒーロー像―『シビル・ウォー/キャプテンアメリカ』にみるアメリカの正義
・ビデオゲームは藝術か(仮題)
・1980年代アングラ文化―アングラ演劇とヘヴィメタルにおける共通性(仮題)
・醜い絵画が人間の精神に与える影響―シュールレアリスム絵画を通して―(仮題)

【生活と地域文化分野】
・オンライン授業による大学生の学校生活満足感の影響
・「映え」と承認欲求、自尊心の関連
・大学生の自己肯定感と生活習慣の関係
・雑然とした環境が知的生産性にもたらす影響
・大学生の収支管理と生活との関係に関する実態調査
・ことばの意味の変遷について―大野晋『日本語の年齢』に依拠して―
・日本語の歴史・起源について―大野晋『日本語はいかにして成立したか』を手掛かりにして―
・ハイデガー『存在と時間』の存在論への影響について
・ことばと日本人の「カミ」観―大野晋『日本人の神』を中心にして―
・日本の若者支援の現状と課題―ユースワークの広がりに着目して―
・戦後の東松島市における葬送文化の変遷
・宮城県の市町村合併後における観光振興の在り方について(仮題)