2020.07.14 Tue
理工学部TOPICS

【生物科学科】2年次「化学実験」を対面形式で行いました

 本学では、6月29日から実験や実習など一部の科目について対面授業が始まりました。
 7月3日(金)には、2号館の実験室で「化学実験」が行われ、担当する坂田隆教授と鳴海史高准教授がそれぞれ「酵母の発酵過程」と「アルギン酸カプセルの調製」に関する実験を指導しました。
坂田先生 酵母の発酵過程▲坂田教授の「酵母の発酵過程」
鳴海先生 アルギン酸カプセル  ▲鳴海准教授の「アルギン酸カプセルの調製」
 「化学実験」は、昨年度まで学生を2班に分けて実施していましたが、今年度は「密」を避けるため全履修者64名を16名ずつの4班に分け、2班ずつ隔週で実施。
 3日は、1班がR3実験室で鳴海准教授の実験を、2班がR4実験室で坂田隆教授の実験を受講しました。

 対面での実験を実施するにあたっては、新型コロナウイルス感染防止のため以下のような様々な対策が講じられました。
 まず、入室時には検温、体調確認、手指の洗浄を徹底し、実験台には飛沫感染防止のためにビニールの間仕切りを設置。実験で使用する薬品や器具は教員があらかじめ準備するなどし、学生同士の会話や接触の機会を減らしました。
 また、使用済器具による感染を防ぐために、ビーカーやガラス棒、ピペット、試験管のかわりにプラスチックコップ、箸、注射筒、プラスチック製遠心管などすべて使い捨てのものを使用。実験後の器具の回収、廃棄、実験台のアルコール消毒などは、教員とSA(Student Assistant)が行いました。
【担当教員のコメント】
坂田 隆 教授
当初、グループ実験で「蒸留による水の精製」を行う予定でしたが、感染防止のため個人で実験できる内容に変更し、パン生地の膨張を指標にして、酵母が炭水化物を分解して放出する二酸化炭素の量を測定する実験を行いました。
難しい状況下での実験でしたが、学生と個別にやり取りをすることによって学生の知的好奇心と実験をする時の観察力を刺激することができ、手ごたえを感じることができました。

鳴海 史高 准教授
2年次生にとっては初めての学生実験になるのでかなり心配していましたが、思っていたよりも混乱なく実施できたと思います。
感染防止の対策は、個々の学生に気をつけてもらわなければどうしようもないものですが、我々が感染防止にむけてできる限りの準備をして実施したことで、学生自身も注意して行動してくれたのだと思います。
1班▲個人でできる実験に内容を変更して実施
2班 ▲真剣な表情で実験に取り組む学生
【受講した学生のコメント】
奥貫 舞さん(1班)(理工学部生物科学科2年次・茨城県第一学院高校〈高萩校〉出身)
初めての実験で、一人だったこともあり、上手くやれるか不安でしたが、やり始めるととても楽しかったです。思いついたことを試していくうちに、実験で求められているのは、発想力なのではないかと感じました。
アルギン酸ナトリウムを塩化カルシウム水溶液に長くつけると膜が厚くなるなど、実際にやってみなければ分からないこともあり、自由に試すことができて満足しています。実験は、実際に体験することで身につくものと感じました。
今回、大学で授業を受けることでメリハリができ、集中することができましたし、久しぶりに会った友人たちが元気そうで安心しました。

八木澤 凌さん(2班)(理工学部生物科学科2年次・宮城県仙台育英学園高校出身)
対面における初めての実験だったので、指定された液体をマニュアル通りに規定の容量測って、注射筒で容器に入れる際に緊張しました。膨張やアルコールの匂いといった感覚的な体験ができ、遠隔授業ではできない良さがあると改めて感じました。
対面授業では先生方の熱意が直に伝わってきて、授業の内容が印象に残り、重要な個所もわかりやすくメモも取りやすいので、自分の知識として身につくのではないかと思います。
遠隔授業は、通学などの移動時間を気にせず、時間を有効活用できる良い点がありますが、私は早く対面授業に戻ってほしいと感じています。