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専修大学法学部研究EVENTEVENT

法学研究所公開講座「現場からの法律学・政治学I」(全3回)

皆さん、学生と市民のための公開講座へようこそ!
専修大学法学研究所では、一昨年から2年間にわたって、「法律学と政治学の最前線」と題する公開講座のシリーズを開催し、多くの方から、幸いにして好評で迎えられました。この経験を活かして、今年度からは新たに「現場からの法律学・政治学」のシリーズを開始します。
法律学も政治学も、生々しい「現場」との多くの接点を持っています。学術的な研究が「現場」で起きている諸問題から示唆を受けることも多くあります。また、研究がそれらの諸問題を解決するための何らかの示唆を「現場」に提供できることもあるでしょう。「現場」と研究とのそれぞれの立場が交流し合うことは、それぞれにとって極めて有意義であるに違いないと私たちは考えました。
このような考えに基づき、今年度から開始する新しい公開講座では、それぞれの「現場」の第一線で実際に活動しておられる方からご報告を頂き、「現場が直面しているこれらの問題について、研究者はどのように考えるのか?」と問いを投げかけて頂きます。そこで提示された課題について討論することを通じて、「現場」と研究との接点を探っていきます。
私たちの社会には、多くの困難な課題が山積しています。テレビや新聞などで、それらの報道に接しても、一体どこに問題の本質があるのか、我々はどういう視点からその問題を考えたらいいのか、途方に暮れることも少なくありません。しかし、私たちはそうした困難な課題から目を背けるのではなく、粘り強く、それに向き合っていかなくてはなりません。この講座では、そのような積極的な取り組みのための手がかりを皆さんに提供したいと考えています。

第三回 「地域行政の現場から」(12月10日開催)

タイトル「地域行政の現場から」
報告者上川 光治(東京都児童相談センター相談援助課長)
講座の概要「東京都における児童虐待の現状と課題」
対論者・コーディネーター鈴木 潔(本学法学部准教授)
日時平成28年12月10日(土)
14:00?16:30(13:30開場)
会場専修大学 神田キャンパス 神田キャンパス1号館205教室
東京都千代田区神田神保町3-8
(九段下駅 出口5より徒歩3分・神保町駅 出口A2より徒歩3分)
参加無料、事前申込み不要
主催専修大学法学研究所、専修大学法学部
お問い合せ先法学研究所事務局
houken@isc.senshu-u.ac.jp
(事務局開室日は各週 月・火・水となります。詳細についてはメールでのお問い合わせをお願いします。)

報告者略歴

上川 光治(かみかわ こうじ)
1954年大分県生まれ。東京都職員(1977年採用)。
知的障害者施設、高齢者特別養護老人ホーム、児童養護施設、児童相談所等での勤務を経て、東京都児童相談センター児童福祉相談専門課長、品川児童相談所所長を歴任。再任用により現在は東京都児童相談センター相談援助課長。

講座の概要 「東京都における児童虐待の現状と課題」

全国の児童相談所が2015年度に対応した児童虐待の件数は、前年度比16%増の10万3260件(速報値)で過去最多を更新した。同件数が1万件を超えたのは1999年度、5万件を超えたのは2010年度であり、増加の一途をたどっている。他方において、児童相談所数や児童福祉司数の増加・増員は追いついておらず、児童相談所はもはや「パンク寸前」とまでいわれている。いま児童相談所の現場では、どのような対策が必要とされているのだろうか。
この講座では、まず、東京都児童相談センター相談援助課長の上川氏に東京都における児童虐待の現状と課題を報告していただく。その上で、行政学を専門とする鈴木がいくつかの論点を提示し、意見交換をしたいと考えている。
論点の1つは児童相談所の体制強化である。現在、児童相談所職員の業務負荷は大変重い。国は、今年5月に児童福祉法等を改正し、児童心理司や経験を積んだ児童福祉司の児童相談所への配置を義務付けることとした。また、全国の児童相談所に配置される児童福祉司(2015年度は2930人)を2019年度までに約550人増員する方針を掲げた。こうした体制強化策にはどのような可能性と限界があるだろうか。
論点の2つめは関係機関との連携である。2004年には「市町村子ども家庭相談体制」が整備され、住民からの児童家庭相談には、まず市町村が主体的に対応し、児童相談所は専門的な相談や法的権限が必要な相談に対応することとされた。また、市町村ごとの「要保護児童対策地域協議会」の設置が要請され、福祉・保健・教育・医療・警察等が分野横断的に連携する場が整えられた。しかしながら、関係機関の連携と情報共有は必ずしも容易ではない。それはなぜだろうか。
論点の3つ目は児童相談所の組織再編の可能性である。1949年、国連児童福祉顧問アリス・Aキャロルが日本の児童相談所を視察した。そして、児童相談所は内部組織が機能別に十分に分化していないとし、「一時保護所」「児童相談所」「児童鑑別所」に再組織することを提案したのである。現行の児童相談所の一元的な組織編成は現場の実情に即したものになっているのだろうか。
本講座では、児童虐待対応に関する現場の実情を踏まえたうえで、児童相談所および関係機関の「組織」面から改善の糸口を模索することを志す。
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