文学部 
日本語学科
Department of Japanese Language
生田キャンパス

教授・備前 徹

備前 徹
アカデミック・ジャパニーズの能力向上を
備前 徹
教授
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教員データ

氏名・職位 備前 徹(Toru Bizen) 教授
文学部開講科目現代日本語の研究1
現代日本語の研究2
ゼミナール1・2・3
卒業論文
大学院開講科目 
略歴1982年、東京外国語大学大学院外国語学研究科日本語学専攻修了。ウィーン大学、東海大学、滋賀大学を経て、1998年から専修大学。
専門分野日本語学(社会言語学・日本語教育学)
研究キーワードフォリナー・トーク
所属学会日本語教育学会、日本語学会、社会言語科学会、日本言語学会、日本テスト学会、日本言語テスト学会

主要業績

単行本(単著)
単行本(共著・編著・論文集・事典など)
論文(雑誌・紀要・研究成果報告書など)
日本人大学生の能力タイプ--多言語社会の日本語教育に関する社会言語学的総合研究-- 2011年01月
外国人の近畿方言受容意識--『国語学』第166集 国語学会-- 1991年09月
連想による語彙調査と日本語教育(2)--専修国文 第73号-- 2003年09月
連想による語彙調査と日本語教育--『専修国文』第72号-- 2003年01月
平成11年国語国文学界の動向 方言・社会言語学--『文学・語学』第169号-- 2001年03月
その他(学会発表・講演・座談会・インタビュー・書評・エッセイなど)
留学生は日本語の方言にどの程度気づいているのか近畿地方の留学生を対象としたアンケート調査より--日本方言研究会 第50回研究発表会 於 明海大学1990年05月
名詞述語文における補文の構造南不二男氏の四段階の適用--国語学会 春季大会 於 早稲田大学1982年05月

ゼミ紹介

ゼミナールについて

—まず、備前先生のゼミではどんなことを勉強するのか教えてください。

私のゼミでは、「外国人留学生が日本の大学で学ぶためにはどのような日本語力が必要か」を考えることから始めています。この「外国人留学生が日本の大学で学ぶために必要な日本語力」を「アカデミック・ジャパニーズ」と呼んでいます。2年生の前半でアカデミック・ジャパニーズを理解することからスタートします。

—「アカデミック・ジャパニーズ」って、初めて耳にすることばですが…。

留学生が日本の大学に入学するときには、多くの場合「日本留学試験」という試験を受験する必要があるのですが、アカデミック・ジャパニーズはこの「日本留学試験」が始まった頃から使われるようになったことばです。まだ比較的新しい概念ですね。

—日本語の文法とか単語をいくつくらい知っていれば「日本留学試験」に合格できるか、その基準を考えるということですか?

それももちろん重要ですが、それだけではないんです。

例えば、大きな教室で講義形式の授業を受ける場合、まず先生の話の内容を自分の頭でまとめることが必要ですし、それをノートに取ることも必要です。

—高校までの授業では、重要なことは先生が板書してくれたんですが…。

もちろん、大学の授業でもポイントとなる事柄を板書したり、プリントを配付してくれたりすることはありますが、そうでない講義も結構あるんですよ。授業の中で重要なことは何かを自分で考えて、その都度ノートに書きとめることがとても大切になってきます。

また、ゼミナールのような少人数の授業では、自分の意見を積極的に発言することが大切ですね。話の流れの中で、自分がどう考えているかをまとめ、先生や他の学生にその内容がきちんと伝わるように話をする力が必要です。

こういったことの基礎になるのは、知っている単語の数とか文法のルールとかですが、それだけでは足りないんじゃないでしょうか。

備前ゼミ_01

—私は生まれも育ちも日本なので、日本語には特に不自由したことはありませんが、長い文章を要約したり、人前で話をしたりするのは苦手です。

そうですね、そういうことが得意だという人はあまりいないかもしれませんね。でも、今より少しでもそういうことができるようになるようにトレーニングを積んでいくことは大切だと思います。

講義形式の授業で、先生の1時間分の話の内容をまとめられるかどうか。また、ゼミの中で、仮に自分とは違う意見を持っている学生がいたときに、その意見に対してどのように反論し説得していくか。こういったことをやろうとしたら、「考える力」が必要になってくるだろうと思います。

具体的にどのような場面でどういう能力が必要になるかを考えていくと、外国人留学生だけでなく、私たち日本人にも共通する問題ではないかという気がしてくるんじゃないでしょうか。

—アカデミック・ジャパニーズっていうのは、留学生だけの問題じゃないんですね。

そういうことです。それをまず理解した上で、じゃあ、このアカデミック・ジャパニーズの能力を高めるために、今までどのような研究が行われてきたかを学んでいく、というのが私のゼミの内容です。

日本語教育は、応用言語学の一つです。言語研究は、大きく分けると「音声・語彙・文法・言語生活」の4つくらいになりますが、それらをベースとして、その上に日本語の教育が位置づけられますから、日本語教育のことをきちんと勉強しようと思ったら、これらの分野の基礎的な内容は知っておく必要があります。それで、2年生の後半以降のゼミでは、それぞれの分野の専門的な論文をテキストとして、知識を深めていきます。

—私は日本語の方言や敬語などにも興味があるのですが、そういうのは日本語教育とは関係がないでしょうか?

備前ゼミ_02

日本語に限らず、言語は社会の中で使われているものですから、方言や敬語のような社会言語学の研究トピックは日本語教育とはとても深く関わっています。

例えば「わしゃぁ、まだまだ元気じゃ」ということばを聞けば、これはおじいさんのことばだとわかりますね。日本人なら特に意識しなくても感知できる能力は、外国人留学生にとってもやはり必要な能力なんです。

—ということは、先生のゼミでは社会言語学の内容もテーマになるということですね。

そうです。どういう人がどういう特徴の話し方をするか、また、どういう相手に対しどのような敬語で応じるか、その使い分けのメカニズムはどうなっているか、など、社会との関わりの中で日本人がどのようなことばの使い分け能力を持っているかを把握することがまず大切ですし、それをどのように教育に反映させていくかも日本語教育にとってとても重要です。

また、日本語学習者が母国でどのような言語環境で生活してきたかを知ることも、日本語教育を考えていく上ではポイントになります。

まず、学習者の母語がどの言語であるか、また、学習者が育った環境はどのような状況か、生活習慣や文化的背景はどのようであったか、日本社会とはどのように異なるのか、などですが、こういったことも日本語教育を考える上でのベースになるものだと思います。

大学院

メッセージ

私はゼミナールを「トレーニングの場」ととらえています。それは、受講者だけでなく、私自身にとってもという意味ですけれども。

例えば何か外国語を学ぶにしても、スポーツをやるにしても、力を高めようと思ったらトレーニングが必要ですよね。

同じように、日本人であっても、日本語の運用力を高めるためにはトレーニングが必要だと思います。

私自身、人前で話をするのは今でも苦手ですし、うまく話ができるとは思っていませんが、ゼミで配付した論文の内容を、自分だったらどのように受講者に向けて話すだろうかということを考えながら授業の準備をしています。

受講者にとっても、最初はゼミの準備にかなり時間がかかるのではないかと思いますが、トレーニングを繰り返すことで、「話すべき内容を要領よくまとめて、聞き手に伝わるように話すこと」が少しずつでもできるようになるのではないかと考えています。
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