学部長メッセージ

文学部長 廣瀬 玲子

文学部長 廣瀬 玲子

大学の文学部に文学以外の分野が含まれていることを不思議に思ったことはありませんか。実は、古い中国語では、「文学」は学問全般を指す言葉でした。学問は文字で書かれたもの(=文)を読むこと、すなわち読書によって身につけるものだったからです。

また、中国では古来、この世界は天・地・人から構成されており、それぞれに「文」があると考えられていました。つまり、天文・地文・人文です。ここでの文とは、模様や飾りという意味であり、人の「文」はその一種にすぎません。夜空の星は「天」に散りばめられた美しい模様である。一方で「地」には山や川、森林や砂漠などといった地勢の描く模様がある。そして、天と地のあいだに存在する万物の代表である「人」が生み出す模様とは、さまざまな文化であり、文字や言語がその核となっているのです。「文」をこのように壮大なスケールでとらえる発想は、人間が自らの生きる世界とそれをとりまく環境について再考することが必要な今日、あらためて見直してみる価値があるのではないでしょうか。
専修大学文学部は、まさにこのような意味での文学部の名にふさわしい大きな学部です。日本語、日本文学文化、英語英米文学、哲学、歴史、環境地理、人文・ジャーナリズムの七つの学科が多彩な「文」の世界へと学生たちをいざなっています。現代の学問においては、文献を読むことだけでなく現場に足を運ぶということも重要です。体を動かし、人の言葉に耳を傾け、書かれたものを読み、深い思考を経て自らの言葉によってその成果を表現する。どの学科においても、こうした総合的な言語能力を高めるために少人数教育に力を入れ、すべての学生がゼミナールで学び、卒業論文または卒業研究を完成させています。その過程で学生たちが培った知性と自信は、必ずや一人ひとりが未来を切りひらく力となるでしょう。
【プロフィール】
(ひろせ・れいこ)東京大学文学部卒。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。1997年本学助教授、2003年教授。専門は中国文学。06年パリに在外研究留学。父親の転勤が多く、高校までは何度も転校した。米国滞在中(中2から高1まで)は現地の学校に通った。
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