志望動機・志望理由をまとめよう

 志望動機は、就職活動を行うにあたって最も重要、かつ、最も難しい設問です。企業側にとって皆さんが表明する志望動機は、採否を決める上での非常に大きな判断基準になります。自社への志望動機が曖昧な学生を企業は評価しません。「なぜ、うちの会社に入りたいのですか?」という問いかけにしっかり答える準備がとても重要です。

志望動機の重要性

 志望動機が曖昧な学生は、「自社にくるかどうかよくわからない学生」という評価になります。つまり内定を出しても、最終的に入社するかどうかよくわからない学生ということです。「どうして数ある企業の中で、うちの会社を就職先の候補として選んだのか?」、人事担当者が全員持っているこの疑問にしっかり答えることが、採用試験を乗り切るための必須条件です。
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人事担当者に“ 響く”志望動機とは?

 人事担当者の心に響く志望動機を作成するには、いくつかのポイントがあります。ひとつ目のポイントは、その企業の「同業界内でのポジション」をしっかり把握し、他社との差別性や優位性についての理解をしておくことです。同業界内に他にも優れた会社がある中、その企業だけにあてはまる差別化ポイントを把握していると、しっかりとその企業のことを認識して調べてきたのだという好印象につながります。ふたつ目のポイントは、あなたの企業選びの軸とどのように一致したのかを述べることです。その企業のどんな部分に興味や共感、好意をもって他でもない「その会社」に入りたいと望むのかを伝えることが大事です。

志望動機を考えるためのヒント

 企業研究を進める中で、以下のような切り口で企業の魅力を探りながら自分がその企業で“働きたい!”と感じた理由を探してみましょう。

経営理念、ビジョン どのような理念を持って現在の事業を行っているのか。
その会社が事業を行うことでどんなインパクトを社会に与えたいと願っているのか。
事業領域 どのような事業を行っているのか。特化している、あるいは、広い分野で活躍しているのか。
事業戦略(現在~未来への展望) 今後、企業を存続・発展させていくためにどのようなビジョンや戦略を持っているのか。
経営状況(経営の数字) 財務状況を始め、企業の経営数字の健全性はどうか。
コアサービス・コア技術 サービスや技術にどのような特色や優位性があるのか。
マーケット、顧客対象 どのような顧客をターゲットとしているのか。
個人?法人?年齢層は?男女は?等々
採用方針・採用スタンス どのような採用方針で学生と接したいと考えているか。
人事担当者の学生に対するスタンスはどうか。
人材育成 社員のキャリアアップの道筋をどのように設定しているか。
組織風土 どのような社風の企業なのか。
どのようなタイプの人がどのような組織形態の中で働いているのか。
職種・仕事内容 どのような職種に就く可能性があるのか。自分がやりたい仕事がその企業の中にあるか。
会社生活・職場環境 給与・勤務地・福利厚生など、どのような会社生活を送ることになりそうか。

志望動機の考え方

 自己分析で明らかになった「企業選択の軸」と、企業研究の結果明らかになったその企業の魅力と、どの部分が一致したのかを端的に表してみてください。

志望動機を考えるためのヒント

先輩の志望動機を参考にしてみよう

 以下の文章は、専修大学の先輩が実際に作成して内定を獲得した志望動機です。その会社の魅力がきちんと語られている、自分の強みをその会社の仕事の中でどのように活かして貢献してみたいかが述べられている、といった点が高評価のポイントになっています。
 ぜひ参考にしてみましょう。

 人が「おいしい」を感じる時に、視覚がとても大きな役割を果たすということで、それに貢献しようと努力を続けている御社の挑戦意欲にとても魅力を感じました。お客様のニーズに合わせた容器の製造だけでなく、展示会などを通じて売り場全体としての見せ方の提案まで行っているところにお客様への思いというものを感じました。私自身、部活でのOB会の発足という経験を通じて、大きな挑戦を成功させるためには小さな挑戦を積み重ねていくことが重要だと感じております。御社のこれからの挑戦に、私自身の挑戦をもって貢献し、御社を支えられる人間になれればと考え志望いたしました。

会社名の表記について

 相手の会社を敬う表現として、会話のときには「御社」、文章で書くときには「貴社」を使うのが一般的です。他にも銀行は「御行・貴行」、省庁は「御省・貴省」などの表現がありますので、対象によって使い分けましょう。