業界、職種について理解を深めたら今度は個々の企業について研究を進めてみましょう。ただ、企業を研究しようと言っても何から手を付けて良いのかわからないという人も多いかもしれません。企業のことをよく理解するためにはいくつかの“切り口”があります。
会社の概要や事業展開はもちろん、対象とする顧客や市場などについてもよく調べて、あなたの就職の方向性に合致した会社なのかを見極めるために行うのが企業研究です。また、企業研究を行うことによって、どんな人材が求められているのかを自分なりに把握し、それに対してアピールするポイントを整理することができます。
参考 S-net > お知らせ > キャリア・就活関連動画リンク集 > 社会理解
以下のような点に注目して、個別企業の内容を研究してみましょう。
1. 業界内で個別企業を比較してみる
企業研究では、「企業比較」をしてみることがとても有効です。同業界内でいくつかの企業を比較してみるとその企業なりに力を入れている分野や他社にはない強みや特徴を持っていることがあります。比較することにより、その企業の特徴がわかれば、志望動機を作成する時にその違いが大きなポイントとなってきます。その際には、関心のある業界の関連業界も調べてみましょう。今まで知らなかった魅力的な企業や仕事に出会う可能性もあります。また、大手企業だけでなく、中堅企業なども比較対象に加えることで、他社にはないオンリーワンの強みや魅力を持った企業などが見つかることもあります。
製品の特徴 | 事業領域 | 車の性能 | 製品に感じる魅力 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|
自動車 A 社 | 4輪が主力 | 4輪自動車の開発に特化 | 省エネルギー技術は世界トップ | 世界的ブランド力 | 車の開発だけでなく販売能力も非常に優れている |
自動車 B 社 | 2輪が主力 | 飛行機などのエンジンも製造 | エンジン性能は世界トップ | 技術的な先進性 | 経営者が魅力的 |
上記のように、様々な項目ごとに各企業を比較検討し、あなたの仕事選びの基準にあてはめて、どんな所が魅力的に感じるのかを考えてみましょう。
2. 個別企業を分析してみよう
自分が志望する企業がある程度絞り込めたら、今度は個々の企業の内容について詳細に分析をしてみましょう。その企業を深く知るためには、いくつかの視点があります。
正式企業名を調べる | いつもは略称で呼んでいる企業でも、正式な名称がある場合も。「株式会社」が前につくか後につくかも大切です。 |
経営理念、ビジョンを調べる | その会社の特徴は、経営者が掲げる「経営理念」によく表れています。単にモノやサービスを作り出して販売し、会社を存続させるというだけではなく、その会社が事業を行うことの最終目的はどこにあるのかを把握しておきましょう。 |
事業内容を調べる | その企業の主力商品、サービスは何か、どのような事業で一番の収益を上げているのかを調べます。また、今後新たに展開していこうとしているビジネスが無いかなども同時に調べてみましょう。 |
社風を知る | どんなに有名な会社であっても、あなた自身がその中に入った時にフィーリングが合わないと、居心地が悪くなります。どんな人が経営しているのか、職場にはどんな人がいて、どんな雰囲気で日々仕事が行われているのかといった会社の“性格”を知ることが大切です。 |
採用選考試験の詳細 | どのようなプロセスで採用選考試験が行われるのかを調べましょう。日程から始まり、筆記試験の内容や面接の回数、面接でどのようなことが問われるのかといった「採用試験対策のための」情報収集が欠かせません。 |
あなたとの接点はどこにある? | 興味が持てる事業分野や、自分の能力や資質が活かせそうな仕事分野、あるいは、経営者や企業姿勢に対する共感や好意など、あなたがその企業を選ぶことになった理由がどこにあるのかを明確に語れるようにしておきましょう。 |
3. 企業研究のための材料
企業研究を具体的に進めるにあたっての情報源は色々なところにあります。就職情報サイトだけでなく、自分自身の足を使って独自に得た情報も活用してみることが大切です。
企業のホームページ (コーポレートサイト) |
コーポレートサイトには、企業の基本情報が掲載されている他、その企業独自の採用情報ページが設けられています。とてもわかりやすく工夫を凝らしたサイトもあります。 |
企業のサービスや製品 | サービスや製品を実際に利用してみて、それについての感想や他社との差異・優位性、改善点などをまとめてみましょう。 |
インターンシップ | インターンシップは非常に有効な企業研究の方法です。その企業の仕事のやりがいだけでなく、難しいところ大変なところも実感できます。 |
OB・OG 訪問 | 専修大学では公認OB・OG訪問ツールとして、「ビズリーチ・キャンパス for 専修大学」を導入しています。オンラインでOB・OG検索から訪問依頼、OB・OG訪問をすることが可能です。詳細については、S-netのトピックスにある「ビズリーチ・キャンパス for 専修大学の利用について」を確認してください。 |
新聞の株式欄 | 新聞の株式欄にはその業界に属する主要企業が数多く掲載されており、企業探しには最適です。また、株価の変動状況や同じ業界の他企業動向も同時に調べてみましょう。 |
その企業に関するニュース | 日経テレコン21の記事検索などを利用して、希望する企業に関するニュースがないか探してみましょう。現在どのような事業がその企業で重要事項になっているか知ることができます。 |
4. 企業研究に役立つアイテム
企業研究を進めるにあたって、専修大学図書館ポータルにある「データベース一覧」が役に立ちます。新聞記事や雑誌記事、企業情報などを調べるためのデータベースが集約されています。その中から日経テレコン21、東洋経済デジタルコンテンツ・ライブラリー、会社四季報を紹介します。
日経テレコン21は、日本最大級のニュース&データベースサービスです。リアルタイムなニュース速報をはじめ、新聞記事、企業情報などが満載です。通常は有料ですが、専修大学図書館ポータルから無料で利用できます。
東洋経済デジタルコンテンツ・ライブラリー(略称 東洋経済DCL)は東洋経済新報社が発刊する「週刊東洋経済」「会社四季報」「就職四季報」など経済・ビジネス・企業情報誌をWEBで検索・閲覧できるサービスです。通常は有料ですが、専修大学図書館ポータルから無料で閲覧することができます。業界・企業研究などに役立ててください。
多くの企業の中から実力や将来性がある企業を探し出すために、会社四季報はとても良い情報源になります。株式投資を行っている人向けの情報誌なので、情報を読み解くには慣れが必要ですが、3,000社以上の企業情報が掲載されていますので、会社四季報をめくっているだけで色々な企業と出会うことができます。企業の特徴が非常に端的にまとめてあるので、読み方のポイントをおさえて企業研究に活用しましょう。キャリア形成支援課資料室で冊子版を閲覧することができます。また、東洋経済DCLでも情報を検索できます。
① 会社内容・業績記事
「特色」という記事で、その企業の主要事業と事業構成を知ることができます。後半の記事では、今後の業績に影響を与えそうな材料が記載されています。
② 株主・役員構成
本決算・中間決算時点でまとめた株主に関する情報が掲載され、どんな人たちが株主としてその会社を支えているのかを知ることができます。
③ 株式・財務・指標等・キャッシュフロー
「株式」欄は、発行済み株式数や売買単位、時価総額など、発行されている株式の状況を表す欄です。「財務」欄以降には会社の基礎体力を判断することができる主要な指数が掲載されています。
④ 株価・資本異動
「株価」欄は、現在の株価水準が歴史的に見てどのような位置にあるかを確認できます。「資本異動」欄では、株式分割や株式併合、公募増資、優先株発行などといった企業において重要なことが過去に行われたか、また今後予定されているかを知ることができます。
「業種別時価総額順位」は同業界内で何位の会社かがわかります。
⑤ 住所・上場市場など
所在地、従業員数、メインバンクといったその企業の基本情報を知ることができます。
⑥ 業績・2期独自予想
その企業の現況把握に役立つ欄です。業界に精通した記者がその企業の2期分の業績について予想を行っています。同業他社や過去数年分のデータと比較して見てみましょう。