自己分析がある程度進んだら、次に取り組むべきことは「業界」という括りで企業を見渡してみることです。業界研究とは、世の中にはどんな業界があるのか、そして、その業界の中でどんな企業が活躍しているのかを調べる作業です。企業単体ではなく、まず、業界という大きな括りで産業界を調べてみると、今後皆さんの就職先の候補となる様々な企業が見えてくるはずです。
業界といってもどの業界から調べれば良いのか戸惑うと思いますが、まず、皆さんが普段触れているモノやサービスを意識を持って調べてみることから始めましょう。普段皆さんが触れているモノやサービスは、様々な企業の仕事が絡み合い連携して生み出されます。どんな業界(企業)が関わっているのかを考えてみるのが業界研究の良い方法です。
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普段利用しているコンビニは、単に「流通業界」というだけではなく、各商品を製造している業界、それを店舗に卸す業界、商品の管理やマーケティングを担う業界、店舗を利用したサービス(ATM やネット通販商品の受け取り等)を提供する業界等がそれぞれの役割を担いながら、コンビニの中で活躍しています。
皆さんが部屋の中で快適に過ごすためにも、実に様々な業界がかかわっています。冷暖房をはじめとした生活エネルギーの大元を支えるエネルギー・インフラ業界。様々な利便性を向上させてくれる、移動体通信、ネットサービス業界。必要な情報や娯楽を日々届けてくれる広告・マスコミ業界等も日常生活を支える業界です。
通勤・通学に利用している駅も、よく調べてみると様々な業界がかかわっていることがわかります。日常の移動手段を提供してくれる運輸業界だけでなく、大型の公共交通専用車両を製造している鉄道車両・航空機製造業界、便利な自動改札システムを提供しているIT・情報通信業界、駅施設のメンテナンスを専門に行う業界等もあります。
大学のような何千人もの人が日常的に利用する大規模施設を支えていくためにも実は多くの業界がかかわっています。施設の建設は建設業界、カードリーダーや証明書自動発行機などを提供している機械、IT・情報通信業界などです。大量の机や椅子を供給する業界は、施設の運営には欠くことができません。また、大学は大きな意味で教育業界に属しています。
業界研究を行う大きな目的に「知らない業界と企業を知り、選択肢を広げる」ということがあります。普段何気なく使っているモノやサービスがどのように自分の手元まで届いているのか、そのプロセスをしっかり調べてみると、これまで気が付くことのなかった業界とそこに属する企業が見えてきます。皆さんが知らなかった優良な企業を探し当てるきっかけになるのが「業界研究」なのです。
業界研究を行う際に注目すべきなのが、「BtoB(Business to Business)」というキーワードです。BtoBは「企業間取引」のことを意味し、一般消費者ではなく企業に製品やサービスを提供して利益を上げている企業群で、隠れた優良企業の宝庫とも言われています。一方、皆さんのような一般消費者向けにサービスや製品を提供している企業を「BtoC(Business to Consumer/Customer)」と呼びます。