面接試験
採用試験の中で最も重視されているプロセスが面接試験です。書類選考や筆記試験がいくらできても、面接試験での評価が良くなければ決して採用されることはありません。逆に、面接試験はそれまでの評価をさらに高くできる(あるいは挽回できる)最大のチャンスです。
面接試験とは?
面接試験は、面接官との質疑応答を中心に進められます。エントリーシートや書類などからはわからない、皆さんの実際の姿を確認し判断されるのが面接試験です。
面接の中で評価される重要ポイント
1. 皆さんの全体像が判断されている
質問に対する答えの内容が大事なのはもちろんですが、例えば、話し方や態度、見た目の印象など、言葉以外の部分でも評価されているということに注意しましょう。
2. 志望動機が最も重要
「なぜ当社を希望しましたか?」という質問をしない企業はありません。「なぜ」の部分に明確に答えるのが志望動機です。他でもないその会社に「入社したい!」と思った、あなたの気持ちの理由はどこにあるのかを、相手が納得できるように説明しなければなりません。
3. 自己PRが問われる
自己PR の重要なポイントは具体的なエピソードを用いて話すこと。初対面の面接官に、どのように話せば自分の強みを理解してもらえるのかをしっかり考える必要があります。また、単なる自分の強みの紹介で終わらないように、今後の仕事の中でどのように活かしてみたいかまで話すことが大切です。
面接試験の進み方
面接試験は、概ね次のプロセスで進みます。
※これは一例で、企業によって面接の回数や進み方には若干の違いがありますので注意してください。
▼ 一次面接
面接官:若手社員
若手社員や仕事現場に近い社員が担当することが多いのが一次面接です。集団面接やグループディスカッションといった複数人数で行う面接は一次面接で行われることが多いようです。
▼ 二次面接
面接官:部・課長クラス 人事責任者
各部署の責任者クラスの社員が担当することが多いようです。志望動機や自己PRについて、一次面接よりも突っ込んだ質問が行なわれ、曖昧な部分についてはどんどん質問が飛んできます。
▼ 最終面接
面接官:社長・役員クラス
社長・役員といった会社の経営者クラスの社員が担当します。人柄や持っている能力・技術については二次面接まででチェックされているので、「入社に対する熱意やこだわり」が重視されることが多いようです。
面接試験の種類
グループディスカッション

集団の中で、その学生がどのように振舞うかを判断することを目的に行なわれる面接手法です。人の意見をよく聞く、そして、タイミングよく、内容のある発言ができるかがポイント。グループの他メンバーを蹴落とそうとするのではなく、どれだけグループの意見交換に“貢献”できたかが評価の対象になります。
グループディスカッションでは何が見られる?
グループディスカッションで人事担当者が一番よく見ているのは、「チームワークへの適性」です。他人の言葉にしっかり耳を傾け、それに対して適切に自分の意見を述べることができるかという点が重要な評価ポイントになります。単に「リーダーシップをとったから」、「自分の意見を強く押し通した方が勝ち」ということではありません。どのような発言や態度がグループの雰囲気を和らげ、建設的な議論ができるようになるかを意識しながら参加してみましょう。
対策POINT
しゃべりすぎ、あるいは、全然しゃべらないというのは禁物。また、あえて、リーダーシップを取ろうとしなくてもOKです。他人の話を聞くことと発言するタイミングのバランスを考えて臨みましょう。
第一印象を良くしてみよう!
人間は初対面の人と接触した最初の10秒間でその人に対する印象の70%を決めてしまい、その印象を後に変えるにはとても長い時間がかかると言われています。面接対策においては、まず、自分がどんな第一印象を相手に与えるのかを“知る”ことが大事です。例えば、挨拶の声色一つ変えるだけで、劇的に第一印象が改善されることもあります。
面接試験の種類
集団面接

他の学生と比較をしながら、面接が行なわれます。
他の学生がどんな発言をするかに、多少の影響を受けながら面接が進むことになります。他大学の学生と同席するので、気になってうまく話せないという人もいますが、自分の考えをキチンと主張すれば大丈夫。ポイントは、物怖じしないことです。
対策POINT
他の学生がどんなことを話すかをよく聞くのは大事。しかし、自分は自分です。あまり気にしないこと!
個人面接

学生をじっくり見るための面接です。時間も長く、様々な質問に答えることになります。突っ込んだ質問によって、曖昧な部分はどんどん指摘されます。しっかりとあなた自身の考えを持っていなければ対応できません。
対策POINT
突っ込んだ質問が長時間行われる面接。面接試験の最後の方で行なわれることが多い。
面接試験でよくある質問集
自己PR に関する質問集
- 自己PRを1分から2分半くらいで述べてください。
- 簡単に自己紹介をしていただけますか。
- 自分の性格をどのように分析していますか。
- 自分自身にキャッチコピーをつけてください。
- あなたの長所・短所を聞かせてください。
・ 短所について何か失敗談を聞かせてください。
- あなたを動物に例えると何ですか。
(理由も教えてください)
- 友人や仲間からあなたはどんな人だとよく言われますか。
- 集団や仲間の中では、いつもどのような役割を担うことが多いですか。
- あなたがもし面接官だったら自分自身を採用しますか。
(理由も述べてください)
- 厳しい上下関係というものを経験したことがありますか。
- あなたの挫折経験について教えてください。
- あなたの誇りは何ですか。
- 今までの人生の中で一番悔しかったことは何ですか。
- 今までの人生の中で一番嬉しかったことは何ですか。
- 自分自身の第一印象についてどう思いますか。
- 今までの人生の中で、何か具体的な目標を決めて取り組んだことがありますか?
・なぜその目標を決めましたか。
・どのような苦労や努力をされましたか。
・どのような成果がありましたか。
・その経験からどんなことを学びましたか。
またそれを仕事でどのように活かしますか。
- これまでの人生で他人の役にたったなと感じることがあったら教えてください。
- 部活・サークルには入っていますか。
・部活・サークルに入らなかった理由は何ですか。
・なぜその部活・サークルを選びましたか。
・一番苦労した点は何ですか。
・辞めたいと思ったことはありますか。
・自分のどのような点が成長したと思いますか。
・ここで学んだことを仕事で活かすにはどのようにすればよいですか。
- アルバイトを行っていましたか。
・何の目的でそのアルバイトを行っていましたか。
・アルバイトを通じてどのようなことを学びましたか。
・アルバイト経験は当社の仕事で活かせると思いますか。
理由も含めて教えてください。
・アルバイトと社会人の仕事と何が違うと思いますか。
志望動機に関する質問集
- 当社への志望動機を教えてください。
- 当社のホームページの印象を聞かせてください。
- ご存じの範囲で結構ですが、当社の事業内容を説明してみてください。
- 会社説明会で当社の説明を聞いた感想を教えてください。
- どうしてこの職種を選んだのかを教えてください。
- 当社はあなたの中では何番目の志望先ですか。
- 他社はどんなところを受験しているのですか。
- 内々定が出たら当社への入社を決めてくれますか。
- 何か新商品や企画のアイディアがありますか。
- 当社の製品を一つ選んで感想を教えてください。
- ウチの仕事はかなり厳しいですよ。あなたは大丈夫ですか。
- 希望通りの配属にならなかったらどうしますか。
- 希望勤務地が○○となっていますが、理由を教えてください。
- 全国転勤は可能ですか。正直にお答えください。
- 当社の社長名はご存じですか。
- この業界が抱えている問題点は何だと思いますか。
- 当社について何か質問はありますか。
・なぜその質問をされたのですか。
・回答を聞いてどう思われましたか。
その他の質問集
- 最近の新聞やニュースで気になる記事や関心があることについてあなたの考えを聞かせてください。
- 最近読んだ本は何ですか。
- こちらまでの交通手段と所要時間について簡単に説明してもらえますか。
- あなたのストレス発散方法は何ですか。
- 休みの日は何をしていることが多いですか。
- 社会人と学生の一番の違いは何だと思いますか。
- あなたはなぜ働きますか。
- あなたにとって仕事とは何ですか。
- 一億円あったら何に使いますか。
- 実際に就職活動をされた感想を聞かせてください。
面接時のマナー
面接時のマナーは言葉遣いや立ち居振る舞いなど覚えることがたくさんあり、全てを完璧にこなすのは難しいものです。しかし、以下のことをきちんと守れていれば悪い評価にはつながりません。
「相手に失礼な印象を与えないようにする」を基本にマナーを考えてみましょう。
面接マナーの基本
- 椅子に座る前に「自己紹介」と「よろしくお願いします!」という挨拶を忘れずにする。
- 椅子には「どうぞ」と勧められるまで座らない。
- 相手の目を見て話す・聞く。(苦手な人は、相手の眉間やネクタイの結び目を見る)
- 敬語は多少間違えてもかまわない。ただし、「学生言葉」を使わない。
- 早口、語尾を濁す、長すぎるといった、相手が「聴き取りにくい」話し方をしない。
- 面接終了後に「ありがとうございました」、退室時に「失礼します」という挨拶を忘れない。
面接試験 会場到着からの流れをおさえておこう!

お辞儀の種類について
一般的にお辞儀には3つの種類があると言われています。状況によって使い分けてみましょう。
①会釈:(角度15°程度)
知っている方とすれ違った時などに用いる軽いお辞儀。就職活動では、社内ですれ違う全ての方に会釈しましょう。
②敬礼:(角度30°程度)
目上の方に対して敬意をもって行う深いお辞儀。
③最敬礼:(角度45°程度)
お詫びをする時、深い謝意を表す時に行うお辞儀。
就職活動では、通常①、②のお辞儀を使い分けて対応します。
オンライン面接の注意点
オンラインであっても、その内容が評価されることは対面での面接と変わりありませんが、オンライン面接特有の注意点としては、主に以下が挙げられます。
チェックリスト
- □通信回線は安定していますか?電波が弱いと途中で通信が途絶える恐れがありますので注意が必要です。
- □面接で使用する機器(PC・スマートフォン・タブレット等)は、十分に充電されていますか?残り容量が不安な場合は、電源に接続して使用しましょう。
- □自分の声が相手に明瞭に聞こえるよう、また相手の声を正しく聞き取れるようヘッドセットの使用を推奨します。
- □静穏な環境ですか?面接中に周囲がざわつく可能性がある場所は避けましょう。また、家族が入室しないよう伝えておくことも必要です。
- □背景にポスターや装飾品が映り込んでいませんか?カーテンやシンプルな壁の前を選ぶようにしましょう。
- □カメラの位置は目線の高さに合っていますか?上過ぎると見上げるようになったり、下過ぎるとにらみつけるようになったりしてしまいます。
高さの調整が必要な際は、PCの場合はミニテーブル、スマートフォンの場合はミニ三脚等を利用すると便利です。
- □室内の明るさは適切ですか?顔が暗く映っていないか、逆光になっていないか確認しましょう。
- □ビデオ会議アプリケーション(ZoomやGoogle Meet等)の名前表示がプライベートのニックネームになっていませんか?面接前に名前表示やアイコンを確認しましょう。