地方自治体における住民投票に関する法律

       Lag (1994:692) om kommunala folkomrostningar

  国会の決定により次の法律を定める。

  第1条 この法律は地方自治法(kommunallagen (1994:900)に規定されている住民投票に適用される。

  第2条 コミューン議会(fullmäktige)が住民投票(folkomröstning)に関する決定を行う場合、次に掲げる事項を決定することができる。

  1. 住民投票の実施日(dag om omröstningen)
  2. 住民投票の行われる投票区(omröstningsdistrikt)及び投票所(omröstningslokaler)
  3. 選挙人名簿(röstlängd)及び有権者カード(röstkort)の作成
  4. 住民投票に付される議題と選択方法
  5. 投票用紙の数、内容、形式、及び
  6. 開票の日時

更に、コミューン議会は、その他に住民投票に必要な規則を定めることができる。

 第3条 コミューンまたは県議会は適当な方法をもって第2条の規定によって住民に対して、議会において決定されたこと、及び住民投票に関するその他の事項を公示しなければならない。

第4条 コミューンにおける住民投票は、選挙管理委員会(Valn mnd)によって管理される。

 県議会における住民投票は、住民投票の行われる県議会との協議によって、その議会区に所属するコミューンの選挙管理委員会によって管理される。調整がつかなかった場合、住民投票に関する事務は、県議会用掲示板(Anslagstavla)を管理するコミューンの選挙管理委員会によって管理される。

 第5条 コミューン内の住民投票に参加することのできる者は、当該コミューン内に住民登録を有する者で、且つ投票日に18歳に達している者でなければならない。

外国人の場合、住民投票の行われる3年前の11月1日までにスウェーデン国内に住民登録を行っている者にかぎり、住民投票に参加することができる。

 県議会区における住民投票に参加することのできる者は、当該県議会区内のコミューンにおける住民投票に参加する権利を持っている者でなければならない。

 第6条 次に掲げる場合、その投票用紙(rostsedel)は無効とする。

  1. 選挙管理委員会によって用意された投票用紙以外の用紙を使用した場合
  2. 投票用紙に故意に必要以外の事項を記載した場合

1枚の投票用封筒の中に複数の同じ投票用紙が封入されている場合、その一枚だけを有効投票とみなす。それ以外の場合にあっては、そのすべて投票用紙は無効投票として取り扱われる。

第7条 投票の締め切り宣言が行われた後、投票用紙は有効票と無効票に区別され、別々の小包に梱包される。梱包された小包には封印が施されなければならない。

 投票用紙は、開票計算後、最低1年間は保存されなければならない。

  第8条 県議会区の住民投票に関する選挙委員会の告示(protokol)は県議会区の掲示板に掲示される。

第9条 県議会区における住民投票に関する選挙委員会の決定は、住民から請求が行われた場合、地方自治法第10章の規定により、審査申立て手続きを通じて異議の申し立てを行うことができる。

 第10条 選挙人名簿及び有権者カードの作成は、コミューンまたは県議会区の所属する県(län)の県税事務所(skattemiyndighet)によって行われる。

 県税事務所はコミューンの住民投票によって生じた費用を請求することができる。

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この法律は1994年7月1日から施行する。

                  以上 (菱木昭八朗訳1994.7.9.)


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