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三浦 弘教授・田邉祐司教授
『[必携]英語発音指導マニュアル』ご出版
![[必携]英語発音指導マニュアル](img-teacher_act/tanabe_book2.jpg)
三浦 弘教授と田邉祐司教授が執筆された東後勝明(監修)・御園和夫(編集)『[必携]英語発音指導マニュアル』(北星堂書店,定価3500円+税)が上梓されました。院生の身で僭越ですが,初版にふれる機会を得ましたので,ここに一読後の感想を述べさせていただきます。
「まえがき」には「現場での英語教員がネイティブスピーカに頼ることなく,一定の理論と具体的な手順をもって体系的に発音指導が出来る方法を提示し,これまでの個々の研究者の音声学理論の紹介のみに留まらず・C複数理論から抽出される共通の原理・原則の教育現場への応用を大胆に試みようというのがマニュアルの狙いである」とあることからわかりますように,と・烽キれば音声学理論の紹介に終始しがちだった従前の同類書の殻を破り,理論も大切にしながらもそれを実際に使用する現場への教師への「まなざし」で貫かれている好著です。
例えば,「『ア』に似た音」や「まぎらわしい『ジュ』の音」など指導困難な項目も具体的な指導方法を挙げながら,発音指導の「勘所」をわかりやすく解説しています。使いやすさという点でも同書は「使い方ナビ」という工夫を採用し,読者の置かれている状況に応じて必要な知識を簡単に手に入れられるような工夫がされています。また,用語解説もCALL(コールラボ)やnarrow transcription(精密表記)などの専門的なものから,pair work(ペア・ワーク)など授業現場に直結する実践的なものまで,実に幅広い用語をその視座に入れ,充実した内容になっています。最後に特筆すべきは,監修者の東後勝明氏(早稲田大学名誉教授)自らが録音された付属CDです。「NHK英会話」の東後先生ファンにはあの懐かしい声とともにラジオに耳を傾けた日々がよみがえることでしょう。英語音声学の基本を,その応用を身につけたい英語教師,教職志望の学生にはお奨めの一品です。
小林大介(大学院文学研究科1年)
【担当箇所】
・三浦 弘教授
BBC English /BBC Pronunciation(BBC英語),Cockney(コックニー,ロンドンなまり),Estuary English(河口域英語),length(音の長さ),loudness(音の強さ,ラウドネス),phonation(発声),phonotactics(音素配列論),speech mechanism(発話機構),utterance(発話)
・田邉祐司教授
consonant(子音), consonant cluster(子音結合), lip rounding / lip spreading(円唇 / 拡唇), stop(閉鎖音), distinctive feature(弁別的素性), intervocalic t(母音間のt)