専修大学文学部英語英米文学科

Department of English


 *専修大学 文学部 英語英米文学科のホームページは2018年3月1日をもって、 こちらのURL先(https://www.senshu-u.ac.jp/education/faculty/letters/eibeibun/)に移転しました。
本ホームページは上記日付をもって更新を停止し、2017年度までの活動のアーカイブとして保存されます。
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夢ナビ2016講演

「英語」はどんどん変化している!?

2016年7月9日(土)
三浦 弘(英語英米文学科 教授)

■講義概要

英語の歴史をひもといてみよう
 イギリスにおける英語史は、5世紀にアングル人やサクソン人、ジュート人 がヨーロッパ大陸から移住したことに始まります。彼らの言語は元をたどれば 同じでしたが、住んでいた地域により若干の違いがありました。
 その後、デーン人の侵入やフランスのノルマンディー公でイングランドを征 服したウィリアム1世がイギリス王となったことで、さまざまな言語の影響を 受けました。ロンドン周辺で「ブット」と発音されていた「but」が、フラン ス風に「バット」と発音されるようになったのも、ウィリアム1世が即位した 11世紀以降、フランス語が公用語になったためです。さらに産業革命により生 まれた貧富の差が、いわゆる階級方言のベースとなりました。
方言が歴史を知るヒントになる
 現在、イギリス各地で話されている方言を分析すると、そうした歴史的背景 をうかがい知ることができます。同じウェールズ地方でも街の歴史により方言 が異なり、例えば産業革命以降、石炭の積み出し港として発達したカーディフ では早い段階からロンドン風の英語が使われていました。しかしカーディフか ら北へわずか10kmのポントスランブライスで使われている言葉には、もともと ウェールズで使われていたケルト語の名残が見受けられます。つまり、産業革 命の影響があまりなかったのではと考えられるわけです。
英語はどんどん簡単になる?
 今や英語は世界中に広まり、それぞれ独自の発達を遂げています。確実に言 えるのは、言語は使われれば使われるほど「単純化する」、ということです。 例えばアメリカでも19世紀に辞書が作られる際、「colour」のuを省略し 「color」にするといったスペルの簡略化が行われました。  文法や発音ももちろん変化しますが、注意すべき点は、慣用的ルールはほと んど変わらないということです。例えば国や地域により母音の違いはよく見ら れますが、子音にはある種の共通性があり変化しにくいのです。

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