専修大学文学部英語英米文学科

Department of English


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夢ナビ2015講演

ディズニーランドのルーツは、どこにあるのだろう?

2015年7月11日(土)
黒沢眞里子(英語英米文学科 教授)

■講演動画



■講義概要

ポーが描いた「理想の庭園」
 19世紀のアメリカの作家、エドガー・アラン・ポーの短編小説「アルンハイ ムの地所」は、莫大な遺産を相続した主人公がそれを使って理想の庭園造りに のめり込むという物語です。しかし、その中で描かれる「理想の庭園」は、生 命の気配を感じさせないほどの完璧な造園で「物質的な美の新様式」を追求し ているにもかかわらず、とても陰うつで、まるで墓地のような雰囲気を漂わせ ています。
明るく美しくなっていった田園墓地
 ポーが生きていた時代のアメリカでは、田園墓地(ルーラル・セメタリー) と呼ばれる、庭園のような美しさを併せ持つ墓地が各地に多数造られていて、 いわば「物質的な死の新様式」を追求する存在となっていました。陰うつだっ たはずの墓地の風景は明るく広々と美しくなっていき、娯楽目的で造られた庭 園「プレジャ・[・ガーデン」の様相を強めていきます。当時、ポーが住んでい たフィラデルフィアにも、ローレル・ヒル・セメタリーという田園墓地が設立 されていて、そうした墓地を訪れたポーが、「アルンハイムの地所」を書く際 にヒントを見出した可能性があります。この作品で描かれている「理想の庭園 」は、実は「死者のいない墓地の風景」だったのかもしれません。
ディズニーランドの風景に重なるもの
 試しに、「死者のいない墓地の風景」だったアルンハイムの庭園から、陰う つな要素を排除してみます。訪問者は船に乗って曲がりくねった水路をどんど ん奥に運ばれて、まるで計算し尽くされたおとぎ話の国のような、めくるめく 世界に吸い込まれていきます。それはまるで、ディズニーランドのようです。 アメリカを象徴するテーマパークであるディズニーランドは、「この地上でも っとも幸せな場所」をめざして造られた存在ですが、それはまた、古き良き時 代の価値観、社会から急速に消えつつあった精神を温存する場所だったのです 。それがディズニーランドの成功にもつながっているのかもしれません。

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