◆絵に込められた思い

偶然の出会いだった。確か、テレビ東京の「美の巨人たち」という番組だったと思う。聞き心地良く流れていたナレーションの中で、この1枚は風景画ではあるものの、「産業革命の夜明けを告げる」一枚であるという話があった。なぜか、納得してしまった。まさに産業革命の真っ只中の時代に描かれており、科学・技術の進歩、企業組織の胎動と急速な発展、社会システムの根本的な変化、労働の質の変化など、時代は「成長」や「進歩」というキーワードの元に疾走することになる。その疾走の主役を演じたのが、我々経営研究所の所員が分析の対象とする組織、特に企業組織であったのは言うまでもない。しかし、なぜかその時、描かれている雨や蒸気は、環境破壊や不平等な発展・分配といった疾走の歪みを象徴しているような気も強くした。つまり、1枚の絵に我々が身を置いている社会の光と影とを実にうまく描いているのではないかという気がしたのである。現代社会において組織の在り方を共通のテーマとする専修大学経営研究所のHPを飾るのに、これほどふさわしい絵はないだろうと思い、選ばせて頂いた。

<文責:前経営研究所事務局長・蔡 イン錫>
◆絵画の紹介

ウィリアム・ターナー, 「雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道」1844, ナショナルギャラリー, ロンドン
Joseph Mallord Willam Turner, 「Rain, Stream, and Speed  The Great Western Railway」1844, The National Gallery in London

参照URL:The National Gallery, London: Western European painting 1250-1900

参照URL: Joseph Mallord William Turner Rain,Steam. and Speed


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