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防止のために(教員版)

1.今、なぜセクハラか

セクハラは根が深い問題

 セクシュアル・ハラスメント(以下セクハラと略します)は最近マスコミなどで取上げられ、注目を集めるようになってきました。しかし、そこで議論されるような行為がなされる土壌は古くからあったのです。女性を仕事の対等なパートナーとして見ず、補助職として一段低く扱ったり、マスコット的な「職場の花」ととらえていたような企業・職場は珍しくありませんでした。こうしたジェンダー・ハラスメントが存在する企業・職場では性的な言動によって女性が不快に思うようなこともおそらく多く存在したことでしょう。

雇用機会均等法の改正

 しかしながら、1985年の雇用機会均等法の制定を契機に、男女平等社会への展望が開けてきました。努力義務規定と禁止規定という二つの規制方式をとるなど実効性には疑問が寄せられていたものの、企業に対して雇用の面で男女格差是正に向け、一定の効果をあげたことは否定できません。

 そして1997年には雇用機会均等法が改正され、努力義務規定の禁止規定化はじめ、実効性強化に向けた一連の施策が実施されました。この中で「性的な言動」に関する規定としてセクハラ関係の条文が新設されました。その第21条のうち第一項を掲げましょう。

 第21条 事業主は、職場において行なわれる性的な言動に対するその雇用する女性労働者の対応により当該女性労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう雇用管理上必要な配慮をしなければならない。

 このように、文言としてはまだ「配慮しなければならない」という事業主の配慮義務に止まってはいますが、初めて法律の条文に明記された意義は大きいものがあります。セクハラがおこらないよう、事業主に配慮する義務があることを明確に認めているからです。

 大学においても法人と教職員との関係は雇用契約ですから、当然法人はこうした義務を履行せねばなりません。教員対象のこうしたパンフレット作成は義務履行の一つの形態でもあるのです。

大学の特殊性-院生、学生にとっては人生を棒に振るおそれも

 一方、企業とは異なり、大学には学生が存在します。学生と法人との関係は在学契約となり、雇用機会均等法の適用外ではありますが、学生に対するセクハラが勉学する権利を阻害する大きな要因になることは疑いがありません。

 教員としては、教員の言動が学生にセクハラと受け止められる可能性を特に重く受け止めねばなりません。学部学生にとって教員は単位の認定権を握る権力的な存在であり、また大学院生にとってみれば指導教員は、その意向に反したら学位を取得できない可能性もでてきますし、就職に不利に働くことも考えられるなど一生を左右しかねない存在でもあります。こうした関係下においては教員の性的言動に対して学生はNOと言いづらいものがあります。結果として不本意ながら退学など進路を転換せざるを得なかったケースも他学で聞かれるところです。教員はこのような学生との関係を自覚しつつ、節度ある態度をとることが期待されているのです。

2.セクハラは人権の問題である

 ひるがえって、セクハラはなぜいけないのか、もう一度考えてみましょう。

セクハラは人間の尊厳への挑戦

 セクハラは単に相手がいやがるからいけない、という素朴な問題ではありません。職場の仲間や学生を性の欲望の対象としてみなすということや、他人がどう思うかに全く頓着せずに性的な言動を無神経に行なうということは他者を人間として意識していない、ということにつながります。よくセクハラはコミュニケーションの一手段だ、というような弁解をする人がいますが、それは相手がどう感じ、どう思うかについて全く洞察を欠いていることに気が付かない人だということなのでしょう。

 なお、本学セクシュアル・ハラスメント防止委員会としては男性が女性に対するハラスメントだけをセクハラと考えているわけではありません。場合によっては女性から男性へ、あるいは同性間でもセクハラになりうると考えています。

快適に研究・教育・労働・勉学する権利

 もう少し具体的に考えると、大学の構成員には在学契約や雇用契約の内容として「快適に研究・教育・労働・勉学する権利」というものを想定することができるように思われます。われわれ教員や学生もより良好な研究・教育条件を求める権利があり、それを保持する義務が大学にあるはずです。たとえば、雇用契約に明記されていなくとも、判例により使用者の義務として「安全配慮義務」が認められていますが、こうした義務と同様の義務-環境保全義務といったもの-が大学の義務として考えられるのではないでしょうか。雇用契約の問題ではありますが、すでに一部の判例には使用者の義務としてこうした保護義務を認めたものもでてきています。

「気づかない」ことの罪

 そして、こうした「セクハラはなぜいけないか」という議論をしていくと、必ずといっていいほどセクハラの加害者の方からは「相手がいやがっていたとは考えていなかった」という弁解が聞かれます。鈍感という以上に、その自己中心的な思考に対して、被害者は二重にうちのめされます。

 これは常に自戒せねばならないことです。いわゆる二次セクハラといわれる問題も同じ構造をはらんでいるからです。相手がどう考え、どう感じるか。それを察知することがコミュニケーションの第一歩であり、セクハラの加害者にならないための要点ともいえるでしょう。

3.何がセクハラにあたるのか-「セクハラ」と意識されたらセクハラ-

3.1 セクハラの判断基準

 セクハラとは、相手の意に反する性的発言や行動を意味します。従って、相手方が不快な思いをした場合にセクハラとなると考えられます。具体的には以下のような事柄が典型的なものです。

1)性的な内容の発言

 性的な冗談やからかい、食事・デートへの執拗な誘い、意図的に性的なうわさを流す、個人的な性的体験等をたずねる、性的体験談を聞かせる 等

2)性的な行動

 胸や腰などをじっと見る、身体への不必要な接触、性的関係の強要、強制わいせつ行為、強姦、またはヌードポスター・わいせつ図画の掲示、コンパ等で女子学生を隣に座らせてお酌させる 等

 日本では、教授といえども他の教員の昇格に関する権限を単独で持っていることは少ないため、教員間・職員間で雇用条件の代償として行われるセクハラが発生しうる職場は比較的少ないと思われますが、学生に対して「単位が取れなくてもいいのか」「奨学金がほしいのなら自分のいうことを聞け」といった類の発言があったということは報告されています。また、他学のケースでももっとも多く訴えられているのは授業中における女子学生を能力的に低く見下したような発言で、多くの学生がこれについて不愉快であると感じているようです。

3.2 セクハラが生じる要因-コミュニケーションの悪化?・・・相手との距離感-

 大学でセクハラが起きる要因として、以下のようなことが考えられます。

1)相手を性的な対象としてとらえてしまっており、対等なパートナー、あるいは一人の人格を持った学生として意識していない。

2)性に関する受け止め方には個人や男女間で差があることを十分認識せずに、不用意な言動をとる。

3)学内における上下関係などの優越的地位を不当に利用し、性的な言動をとる。

 要するに、根本にあるのは基本的な人間関係のあり方であり、特に性に関してそれが顕著に表れるということではないでしょうか。はっきりとした性的行動に出なくとも、コミュニケーションが悪化すると、相手との距離感が生じ、なんでもないように思われる言動にも嫌悪感を覚えるということが起こり、セクハラになってしまうということを認識しておかなければなりません。また、宴席での座席指定や、酌やカラオケ=デュエットの強制なども、セクハラにつながるグレーゾーンにあるとされています。ゼミの合宿や、コンパで、こうした光景に見覚えはありませんか。いずれにせよ、「相手の意に反したもの」であるかどうかが重要な判断の基準となることを忘れてはいけません。そうした意味でも、セクハラとは、相手がセクハラだと思えば、それがセクハラだと判断されてしまうのです。

4.セクハラが問題化すると

 さて、セクハラが問題化すると、どのようなことが生じるのでしょうか。

高額化する賠償請求

 セクハラは法律的にいえば、民法上の不法行為として構成されます(709条)。すると加害者はその「損害」を賠償する義務が生じます。具体的には精神的損害としての慰謝料請求となります。この慰謝料、特に算出方法があるわけではありません。裁判官の判断次第、というところもありますが、最近では高額化の傾向にあります。東北大学の事例では800万円以上の慰謝料が認められた事例もあります。

懲戒処分

 セクハラの加害者には、懲戒処分も十分考えられます。最悪の場合には懲戒解雇も考えられるところです。

組織への社会的制裁

 セクハラ問題への対応は一個人の問題に止まりません。対応を誤ると大学全体の信用問題に直結します。各事案に対する適切な措置を行なうことが結局社会からの信頼を勝ち取る唯一の道です。しかもスピードが要求されます。被害者は「一刻も早い救済や制裁」を望んでいます。拙速は避けねばなりませんが、同時に時間の浪費も被害者からの不信感を買います。社会からの評価を受ける、という意味からも教員各位の言動が専修大学全体の信頼につながることの自覚を今一度うながしたいと思います。

5.セクハラの加害者にならないために

5.1 相手の心の洞察

 セクハラは、日常のマナーから職場の雰囲気まで広く関係している問題です。セクハラを防止するために定められた人事院規則10-10では、「性的な関心・欲求に基づくもの」とともに、「性別により差別しようとする意識等に基づくもの」についても「セクハラになり得る言動」として具体例をあげています。いわゆるセクハラにつながるグレーゾーンとなる言動等です。いくつか同規則から例をあげましょう。

[典型例]
  • 「女は学問に向かない」、「男のくせに根性がない」などのことば
  • 女性であるというだけで、お茶くみ、掃除、私用等をさせる、会議に参加させない、などの業務上での区分がある
  • カラオケでのデュエット、お酌、チークダンス
  • 酒席での座席指定
  • 合宿、ゼミ旅行で浴衣を着るように指示すること
  • 各種余興での度を越した悪ふざけ

 こうした行動は習慣の中で行われるため、受け手の不快な気持ちに気づかずに行われがちです。上記の中には、厳密にはセクハラとは性質が異なるジェンダー・ハラスメントも含まれています。しかし、このような意識や行動も、繰り返されたり、抗議されたのにもかかわらず続けられれば、セクハラに該当し得るということを認識しなければいけません。セクハラのない学習・研究環境を作るには、不快な思いをしている人がいるのであれば、そうした言動はしないということを日頃から心がけることが大切です。

5.2 自分の言動について自問する

 気が付かないうちにセクハラにつながる行動をとっていないでしょうか。以下のことについて自問してみましょう。

  • 自分のパートナー(妻や夫、恋人など)、あるいは子どもが隣にいても、同じような行動が取れるだろうか
  • その行動が職場の広報等に載ってもかまわないだろうか
  • 自分のパートナー(妻や夫、恋人など)、あるいは子どもが他の誰かから同じ目にあったとしても気にならないだろうか

5.3 自分を律するために

 それでも相手が不快かどうかわからなければ、直接相手に、あるいは周囲にたずねてみることも、時には必要でしょう。そして、相手がノーと言ったら繰り返さないようにしなければなりません。また、不快な性的言動である旨の意思表示がいつもあるとは限りませんので、何よりも自分自身の言動について軽率にならないよう心がけることが必要です。

6.セクハラの被害者にならないために

6.1 明確な意思表示

 嫌なことであれば、相手に対してきちんと意思表示をする必要があります。相手の感情を傷つけ、今後の関係や雰囲気を心配するあまり、拒否できずに、つい我慢してしまったり、遠回しな表現で相手に察してもらおうとすることがよくありますが、そのことで相手に誤解を与えてしまう場合も見受けられます。もともとこちらの気持ちを察することができず、不快な性的言動をとるような相手には、遠回しな表現が通じるかどうかも疑問です。こじれる前にはっきりと断れる「断り上手」になることが必要でしょう。

6.2 差別を許さない職場環境作り

 セクハラが学生の自尊心にどのような影響を与えているかを観察し、誰かがハラスメントをしているとわかったら、周囲から「そんなことはやめろ」と進言することのできるような環境作りが大切です。同じ職場で働き、学ぶ者として、セクハラを発生させないようによく話し合い、必要な対策を講ずるべきでしょう。また、その一環として、職場構成員や学生がセクハラについて学ぶための研修をもうけたり、その機会があるときには研修に積極的に参加したりすることも、セクハラを防止する風土作りになります。本学でもこのような研修を企画・実施することによって、「セクハラを許さない」という意識を徹底させることを考えています。

6.3 積極的な相談

 もし、セクハラだと思われる被害にあったなら、信頼できる人物に相談することも大切です。思い悩んで勉強、研究が手につかなくなるのでは、職場に足を向けるのも億劫になりかねません。さらには、それを契機に不眠、神経過敏などの症状に襲われ、自己をコントロールできなくなる状態になることもありえます。そうした時に、誰もが相談する機会を得られるよう、セクハラ防止委員会では対応のための窓口を設け、相談者に配慮することを第一として、相談を受け付けています。被害を受けている当事者はもちろん、周りでその被害を見たり聞いたりした教員・学生でも相談窓口に来ることができます。セクハラを防止するには、積極的な相談も必要であることを強調しておきます。

7.セクハラ防止委員会の活動

 セクハラ防止委員会の対応について簡単に説明します。

 留守番電話、ファックス、電子メール、相談窓口などで訴えを受け付けたら、訴えを受け付けた委員がまず相談者に連絡をし、会う約束をします。その際、秘密は厳守されます。委員会の留守電やファックス、電子メールの内容にアクセス出来るのは、セクシュアル・ハラスメント防止委員会のメンバーだけです。

 防止委員は相談者の話を聞き、一緒に問題解決の方法を考えます。場合によっては専門のカウンセラーを紹介することも可能です。

 問題解決のために、より踏み込んだ対応が必要とされる場合には、セクシュアル・ハラスメント防止委員会で検討し、必要に応じて調査を行ないます。加害者との面談をし、事情聴取をすることもあります。その経過は随時、相談者に報告されます。その結果に応じて、適正・公正な措置を検討します。そして調査結果、及び委員会としての処分案を決定、学長もしくは理事長に報告します。同時に懲戒処分が必要と思われる場合には同じく学長、理事長に意見を具申します。

なお懲戒処分に関してはその後通常の手続きにのっとることとなります。

訴え受け付け

相談者とのコンタクト

相談者との面談

加害者との面談・事情聴取

場合によっては相談者との再面談

委員会への報告

調査結果・処分案の提出

8.学生や同僚から相談を受けたら

防止委員会の存在を伝達

 学生や同僚から相談を受けたら、セクハラ防止委員会の存在を知らせ、本人が望むのであれば、委員会へ相談するようにお話し下さい。防止委員会への連絡方法は電話・ファックス・電子メールがあります。

自分で対応すると二次セクハラの可能性も-悪気はなくとも-

 セクハラへの対応は非常に難しく、安易に対応したり、内輪で問題解決を図ろうとすると、問題がこじれたり、悪気はなくとも事情を根掘り葉掘り聞くと、その時のことを思い出さざるを得ず、被害者がつらい思いをするという二次的なセクハラへとつながってしまうこともあり得ます。防止委員も専門家ではありませんが、何度かの研修を受けて対応できる準備はしています。相談者が学内者との相談を望まないのであれば、大学が依託している専門の相談員に相談できる旨をお伝え下さい。

相談を受けたときの注意

  • まず何よりも先に「被害にあったのはあなたのせいではない、悪いのはあなたではない。私はあなたの話を信じる」とはっきりと伝えて下さい。
  • そして、被害にあった人が何を望んでいるのか、あなたに何をして欲しいのかをよく確かめて下さい。
  • 相談窓口に行くのか、行くとすればいつ行くのかは、あくまでも本人が決めることです。相談窓口に行くよう強要したり、急がせることは決してしないで下さい。
  • 相談を受けた日時、内容、相談者の様子などを記録しておくとよいでしょう。
  • 相談内容については、相談者の承諾なしに、決して他に漏らさないで下さい。

9.よくあるご質問

 ここではよくいただくご質問に対してQ&A形式でお答えします。

Q1.いわゆるストーカー行為もセクハラにあたるのでしょうか

A1.もちろんです。どのような行為がセクハラになり得るか、3、4頁に簡単に掲げていますか、それ以外の代表的な例をまとめてあげておきましょう。いずれも教員が加害者側となる場合を念頭においています。

(ストーカー的行為)
  • 交際を求めて授業のある教室や自宅周辺を徘徊したり、つきまとう
  • 本人が止めてほしいといっているにもかかわらず、頻繁に携帯電話をかけたり電子メールを送信する

(身体的接触)
  • バス、電車で隣に座り、身体を押し付ける
  • パソコン操作を教える際、マウスを握っている手の上に手を重ねる
(不用意な発言)
  • いわゆる猥談、性的なものを連想させる発言
  • 結婚、出産はまだか、という発言
  • 特定の女子学生に対し酒食の場に誘う、デートを要求する、ゼミにおいて必要がない作業を命じて二人だけになろうとするなど

(取引を要求する発言)
  • 自分の言うことを聞かないと単位をやらない(もしくは学位を出さない、就職を世話しないなど)、という発言
  • 自分の要求を断った学生に対する報復としての諸行為

 学生はもう大人だから、教員と学生が男女の関係となっても大人と大人のつきあいだ、という発言も他学などではちらほら聞かれるようですが、教員は単位認定権を有し、場合によっては卒業させないこともできる強大な力を学生に対して持っています。そのことを自覚し、学生の意に反した行動をしていないか、常に自覚していただきたいところです。

Q2.同じ行為でもAさんがするとセクハラと感じられ、Bさんがするとセクハラと感じない、ということも多々あるように思います。セクハラの線引きは難しいのではありませんか。

A2.たしかに同一人物の同じ行為でも、恋愛中は何ともなかったのに破局してからはいやがらせと感じられる、という場合も考えれるように、客観的な基準は示すことはできません。無理して客観的な基準を作ったとすれば、相手がいやがっているのにセクハラとならない、あるいは相手がいやがっていないのにセクハラとなるという変なことも起こってきます。そのため、セクシュアル・ハラスメント防止委員会では「相手がいや」といえばセクハラ、という判断を行ないました。必要なのは「相手がどう感じるか」という洞察力です。Cさんは何とも感じなかったことでもDさんは強く受け止めるかもしれません。一般的な心構えは4頁から5頁にかけて述べていますのでご参照ください。

Q3.二次セクハラという言葉がよくわからないのですが。

A3.セクハラを受けたことを「一次セクハラ」としましょう。それについて第三者が質問するなど、いろいろ聞くと、一次セクハラを受けたときのことを思い出しますね。すると被害者はいやなことを思い出すことになり、それにより再び精神的な苦痛を受けます。また、相手に自分の話がなかなか理解されないと、そのことによる悔しさや無力感を感じることもあります。これが二回目のセクハラ、ということで二次セクハラとよんでいます。本文にも書きましたが、二次セクハラとならないよう相談を受けるのは大変難しいことでもあります。「事情聴取」ではなく、「自分はあなたの味方だ」という姿勢が基本になります。

Q4.セクシュアル・ハラスメント防止委員は皆セクハラの専門家なのですか。

A4.セクハラは大変多岐にわたる問題です。心理学の研究者であっても誰でも皆対応できるかといえばそうではありません。また、雇用機会均等法をいくら知っていても、実際の被害者と対応できるかは未知数です。さらに二次セクハラにならないよう事情を聞きだすのには場数を踏む必要もあるでしょう。そうした面から考えると、本学の防止委員は必ずしも専門家とはいえません。しかしながらその難しさについては、頻繁に話し合い、また相談者に対する対応の仕方についても経験豊富な方の助言を得ながら学びあうよう心がけています。セクハラの温床は日常生活の広範な場面にありますが、それになかなか気づかなかったことが問題を生じさせた原因でもありますから、相談員に限らずそれに気づくことができるようになるだけでも問題に対する対応の仕方は変わると思われます。そうした意味では、セクシュアル・ハラスメント防止委員も交代を重ねて、問題の温床に敏感になる人が増えるのも大切かもしれません。

Q5.実際にセクハラ問題の相談はあったのですか

A5.プライバシーなどの問題もあり、件数、内容は明記できませんが、処理した事案はあります。どのような形で委員会の活動内容を公開するかは、今後の課題となっています。

以 上