Senshu University Library, MS1
Polychronicon

<解説>
Polychronicon(『万国史』)はChester出身のベネディクト派の僧侶であるRanulph Hygdenによりラテン語で記述されたが、彼は1299年に聖ウェルブルク修道院に入り、1363/4年に亡くなるまでそこで過ごした。『ポリクロニコン:万国史』の著作に人生の大半を費やした。

Higdenは『ポリクロニコン』の余白に様々な日付を書き加えている。アブラハムから世界創造の基盤や各支配者の統治時代や、ローマの建国や支配者の年号、最後にキリスト教の始まり、治世年代がある。

Higdenの当初の目的はBritainの歴史を記述することだったが、友人の勧めによって世界の創成から彼の時代までの全歴史を網羅することとした。しかし、中心はあくまでもBritish Islesであった。Book V, VI, VIIではこれらの島々の歴史が初期の伝説上の時代からEdward III治世について触れた。真に中世的な視点でHigdenは謙虚に他の人々の研究成果を編集者として役割を果たしている。

中英語に翻訳したJohn TrevisaはCornwallの出身であるが、1342年に生まれたと推定され、1402年以前に亡くなっている。彼はたぶん1374年にBerkeleyのvicar(司教代理)になり、1379年にBerkeley家の執事に就任した。『ポリクロニコン:万国史』の翻訳は1387年の4月に完成した。

専修大学のPolychronicon写本は世界で現存する中英語15写本のひとつであり、非常に貴重である。

<参考文献>
Waldron, Ronald, ed. 2004. John Trevisa’s Translation of the Polychronicon of Ranulph Higden, Book VI. Heidelberg: Universitaetsverlag.
Babington, Churchill, ed. 1865. Polychronicon Ranulphi Higden Monachi Cestrensis; together with English Translation of John Trevisa and of an Unknown Writer of the Fifteenth Century.