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平成20年度卒業式・学位記授与式


 平成20年度専修大学卒業式・学位記授与式が3月22日、東京・千代田区の日本武道館で行われ、学部卒業生、大学院修了生、専門職大学院(法科大学院)修了生あわせて4,247人が晴れの日を迎えた。
 学位記、川島記念賞が各総代に贈られたあと、日高義博学長が式辞を述べた。卒業生、修了生を代表して内田沙知子さん(経営学部)が「より良い社会を築くには、互いに思いやる『相思相愛』の精神を深めることが大切であり、それに気付かせてくれた専修大学に感謝します」と謝辞を述べた。
 袴姿やスーツ姿で出席した卒業生らは式後、会場の外で待ち受けた後輩からの胴上げや、花束贈呈の祝福を受けた。

日高義博学長式辞

 桜の蕾も開き始めました、ここ日本武道館において学部の卒業式および学位記授与式を合一して挙行できますことは、誠に嬉しい限りです。今年度は、学部においては4092名が卒業し、大学院においては95名が修士の学位を、8名が課程博士の学位を取得しました。さらに、法科大学院では、52名が法務博士の学位を取得しました。これまで研鑽を積んで、本日卒業される皆さん、さらに修士・博士号を取得される皆さん、心からお祝いを申し上げます。また、式典に参列されているご家族の方々に対しましても、お慶び申し上げます。これまで、本学の教育および運営につきまして、さまざまなご支援をいただきましたことに対し、厚くお礼申し上げます。さらにまた、ご多忙の中、本日の式典にご列席いただきましたご来賓の方々に対しても、心からお礼申し上げます。

 専修大学は、本年9月に創立130年を迎えます。本学の前身である「専修学校」は、明治13年に創立されましたが、わが国における私学の高等教育機関の魁として重要な役割を果たしました。その後、専門学校令による学校から大学令による「専修大学」に移行し、さらに旧制大学から新制大学へと移行して、今日の専修大学の発展をみております。この間の130年にわたる専修大学の歴史は、明治維新後のわが国の高等教育機関の足跡を刻むものでもあります。相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格の4人の創立者たちは、明治維新の動乱の中を生き抜き、強靭な精神力を持って米国に長らく留学し、海外から祖国日本の国の形を考えました。そして、法律および経済をとっかかりとして、市民レベルにおいて高等教育を行い、社会の屋台骨を支える有為な人材を育成しようという熱き思いから、帰国後すみやかに「専修学校」をスタートさせました。この創立者たちの熱き思いは、関東大震災による校舎の崩壊、第二次世界大戦の戦禍など幾多の苦難にもめげず、専修人に営々と受け継がれ、今日約25万人の卒業生を輩出し、教育力・研究力のある全国型の大学へと躍進する原動力になってきました。

 そして今、創立130年という本学にとって重要な節目の年に、皆さんは学窓を飛び立とうとしています。これまで専修大学に何を求め、何を得たでしょうか。学部の4年間の学生生活のなかで、人生の羅針盤となりうるものを得たでしょうか。大学院においては、学問の奥の深さを体感し、自分の研究の方向性を見出すことができたでしょうか。法科大学院においては、社会生活の医師となりうる心構えができたでしょうか。この場で自らを顧みて、自分はこうだと言えるならば、それは自己実現の道をすでに歩き始めている事になりましょうし、素晴らしいことです。なかには漠然としか言えない人もいるでしょうが、それでも心配することはありません。真摯に人生に立ち向かうならば、必ずや自己の歩むべき一筋の道が拓けます。大学で学んだこと、体験したことは、すぐには役立たなくても、人生の節目、節目に光を放つことになります。130年の歴史と伝統を有する専修大学で学んだことに自信と誇りを持ち、明日の専修大学の歴史を作るのは自分達だという気概を持って、学窓を飛び立ってください。これからの生き方が本当の勝負どころです。皆さんが、社会の各分野において、いかに活躍し、いかに社会に貢献するかは、専修大学の大学力に反映されます。

 専修大学は、21世紀ビジョンとして「社会知性の開発」を掲げ、一層の発展を遂げようとしています。このビジョンは、本学の創立の原点に立ち戻り、創立者たちの熱き思いを21世紀に花開かせるためには何を為すべきかという観点から設定されたものであります。自ら問題を発見し、それを主体的に解決する知力すなわち社会知性を、皆さんはすでに身に付けているはずです。自分の頭で考えて、自分で行動しうるならば、社会の開発に繋がっていきます。その際、人を説得し、人を動かすためには、豊かな人間性と確たる倫理観がなければなりません。常に自己を省察し、人格を磨いていくことを忘れてはいけません。

 一昨年になりますが、創立者の一人である田尻稲次郎先生の揮毫の額が偶然見つかりました。それには「士魂商才」と書かれていました。現在、理事長室に掛けられています。田尻先生は、大蔵省、会計検査院などに深く関わられましたので、「士魂商才」という言葉には重みがあります。田尻先生は、東大でも講義をされましたが、その講義を阪谷芳郎先生、それに『武士道』の著者で著名な新渡戸稲造も聞いています。最近の経済活動の混乱を目の当たりにしますと、財界においてもサムライ・スピリッツが必要だという田尻先生の言葉が聞こえてきそうです。また目賀田種太郎先生は、「礼節の軌道を離る可からず」という言葉を残されています。また相馬永胤先生にしろ、駒井重格先生にしろ、その生き方にサムライ・スピリッツが染みこんでいます。利害や打算ではなく、信義や礼節を弁(わきま)えて物事を処し、そして自分に課せられた責務を粛々と果たし、そこはかとなく光を放つこと、このような生き方を専修人の先達たちは示しています。この気風は、次の世代に伝えていかねばなりません。

 皆さん、学窓を飛び立った後、どのような分野に進もうとも、専修大学の130年の歴史と伝統の重みをバネとして、時にはひそやかに、時には華々しく、されど凛として自分の一筋の道を歩いて行ってください。その道筋は、必ずや専修人としての証になりましょう。皆さんの今後の活躍と発展を期待し、第15代学長の式辞といたします。

川島記念賞について

「泥にまみれた著名人より、善良で愛と親切に徹した社会人に」


 学術、体育の分野で優秀な成績を収めた学生に、卒業にあたって贈られる「川島記念賞」。専修大学の発展に大きな足跡を残した川島正次郎氏の寄贈基金をもって「川島記念学生表彰基金」を置き、専修大学、石巻専修大学、専修大学北海道短期大学の学術奨励と体育振興、各付属高校の生徒の学術奨励を担っている。

 同氏は1914年専修大学を卒業。東京日日新聞(現毎日新聞)政治部記者などを経て政界に転身。国務大臣や自民党幹事長、副総裁を歴任、総裁(首相)選出などで党内の調整役としての手腕が政界で評価された。教育界の発展にも貢献。母校の本学では、53年から70年まで、80歳で死去するまでの間、理事長、総長などを務めた。

 1970年3月、学窓を巣立つ卒業生に、川島総長が贈ったことばは、今なお語り継がれている。
「泥にまみれた著名人になるよりも、善良で愛と親切に徹した社会人として立派な社会づくりに参加してほしい」
そして、「私は今年すでに80歳、おそらくふたたび会う機会はないでしょう……さようなら、さようなら!」と結ぶと場内から大きな拍手がわき起こり、いつまでも鳴り止まない。式を終えて退席する総長に、卒業生たちが握手を求めた。

 
 

 



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