2024.02.22 Thu
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                【生物科学科】海洋生物コース・卒業研究発表会を開催
理工学部生物科学科・海洋生物コースの卒業研究発表会が令和6年2月6日(火)、5号館5301教室で開催されました。
 ▲1人12分の持ち時間で発表
▲1人12分の持ち時間で発表   ▲質疑応答も活発
▲質疑応答も活発発表タイトルは以下のとおりです。
| 太田尚志研究室 | カイアシ類はマイクロプラスチックをうまく摂食できない? | 
| 舞根湾におけるDinophysis属渦鞭毛藻の昼夜鉛直分布について | |
| 舞根湾で採集されたヒメタツの形態および遺伝的特徴 | |
| 舞根湾におけるミズクラゲ群集の昼夜鉛直分布について | |
| スギ花粉は海洋細菌にどのような影響をもたらすか? | |
| 飼育餌料の違いによるアルテミア の成長、生残、同化効率 | 
| 角田 出研究室 | 重金属を除去したホタテ貝ウロを添加した飼料の投与がギンザケの成長と健康に及ぼす影響 | 
| メバルの稚魚は鏡の中の自分が分かるのか? | |
| 酸性海水への曝露はアブラツノザメの鱗の形態にどのような影響を及ぼすか? | |
| 未成熟トマトの投与がギンザケの摂餌行動、生理機能およびストレス応答に及ぼす影響 | |
| 宮城県定川河口域で釣獲したスズキの胃内容物調査 | 
| 髙橋計介研究室 | 免疫刺激によるマガキ血球数の変動 | 
| ホタテガイ血漿タンパク質の特性 | |
| ホタテガイ晶桿体タンパク質の量と特性 | |
| ホタテガイ血漿タンパク質の電気泳動像 | |
| ホタテガイ晶桿体タンパク質の抽出 | 
| 阿部博和研究室 | 北日本太平洋沿岸におけるミミズハゼ属魚類の生息状況 | 
| とあるカニの性的二型 ~クロベンケイガニのすね毛の雌雄差~ | |
| 「海のダンゴムシ」はなぜ丸くなるのか? ~球体化による捕食回避機能の評価~ | |
| 金華山島の潮間帯における海藻群落の季節的および鉛直的変動の評価 | |
| 国内に生息するHeteromastus属多毛類(イトゴカイ科)のDNA解析による分類学的検討 | |
| 宮城県金華山におけるニホンザルの海岸利用 | 
| 渡辺正芳研究室 | 小さい雄は大きくなるのか:フジツボ類における矮雄の成長モデル | 
<卒業研究発表者の感想>
■ 小田晴翔さん(生物科学科4年次・阿部 博和研究室)
〈テーマ〉とあるカニの性的二型~クロベンケイガニのすね毛の雌雄差~
〈研究内容〉クロベンケイガニ120匹(雄60匹・雌60匹)のすね毛を計測。指節、前節、腕節の外毛と内毛など計24項目の形態を計測し、特徴の解析によって性的二型の有無を明らかにするとともに、すね毛の意義を考察しました。
 ▲発表する小田さん
▲発表する小田さん
     ▲キャンパス内に生息するカニについて研究
▲キャンパス内に生息するカニについて研究
    甲殻類が好きだったので、大学のキャンパス内に大量に生息しているクロベンケイガニに興味を持ちました。すね毛に着目した研究が少なかったことと、環境が整っていることから、この場所で自分にしかできないオリジナル性がある研究だと思いました。
②理解が深まったこと
クロベンケイガニの雄と雌は、脚だけでなくすね毛の長さも違うことがわかりました。
内毛にはっきりと性的二型が見られることを発見し、雄と雌で違いがあるということは、何かしらの意味があることだと思っています。 クロベンケイガニは、他のカニと比べてすね毛が立派だということも知りました。
③卒業研究で苦労した点
小さいカニのすね毛の数の計測は時間がかかりました。1日6時間計測して約20匹しかできず、何日もかかりました。
④4年間で成長した部分
相手に伝わる文章が書けるようになりました。また、就職活動や学会での発表を通して、人に伝わる話し方も体得できました。 研究室の阿部先生のおかげで学会に4回参加し、国内トップクラスの研究者の素晴らしい発表を聞き、その方々との交流を通してこれまでの常識が変わりました。
④卒業後の目標
本学の大学院に進学してベントス研究室で本研究を継続する予定です。
水族館の飼育員になりたくて本学に入学しましたが、ベントス研究室で調査活動の楽しさ知り、大学院に進学することにしました。
将来は、環境や教育に関わる仕事を通して自然に触れたことのない子供たちに自然の素晴らしさを伝えられたらいいなと思っています。